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ブロークン・アロー/カトキチのコメント

rating22.8333

ブロークン・アローへのコメント

採点

rating2

推薦数

+3

コメント

大作を仕切れる手腕に脱帽だが…

レビュー

ジョントラボルタ初の悪役、クリスチャンスレーター初のアクション出演、
脚本は『スピード』のグラハムヨスト、そして監督がジョンウーと来れば否が応でも期待が高まる、
ジョンウーの映像スタイルは全く出てないが、テーマは一貫しているので、その時点でファンは納得か?
ハリウッド作品になってしまったが、これだけの大作を仕切れる力量はたいしたもの、
娯楽映画としては…な部分も多いが、トラボルタの演技を引き出した手腕と共に評価したい。

サムペキンパーのスピリットを現代に蘇らせてるジョンウー、
サムペキンパーのキャラ達は1人の中に善悪が同じバランスで配分されているのに対し、
ジョンウーのキャラ達はそれを違う人間にそれぞれハッキリ振り分ける、

香港時代のウー作品は主人公が悪に手を染めてたり、悪人と善人の共存を謳ってるキャラだったり、
とんでもなく悪いヤツだったり、警官なのに捜査のために殺人を犯すヤツだったりと、
ペキンパーがやっていた事を複数の人数で描き分ける事を信条にやってきた、
この作品でジョンウーは同じ境遇にいる似た者通しの2人を“善”と“悪”にハッキリ分ける事に成功している。

ジョントラボルタにオファーした際「善と悪、好きな方を演じていいよ」と言い放ったジョンウー、
結果、「それなら今までにやった事がない方で」と、悪の方を演じる事になったトラボルタ、
このエピソードを聞く限り、ジョンウーはこの2人を1人の人間として見ていたのではないかと推測される。
同じ境遇にいる2人、かつては同じ志を持った仲間がそれぞれハッキリ善と悪の道に別れてしまう、
善と悪の好きな方を演じてもいいと言ったジョンウー、彼はこの主役2人を同じウエイトで演出する。
これはサムペキンパーが1人の人間でやっていた事と同じなのではないだろうか?

今のハリウッド映画は悪の存在が薄い、悪の演出がとにかく生温いのだ、
『コン・エアー』や『ザ・ロック』もそう、悪人すらもスマートに演出されている。
香港映画というのは悪人というのが徹底して描かれる、とにかく見ていて不快になるほど悪いヤツばかり、
だが、それは人間の中にしっかり潜んでいるもので、この映画の様に魅力ある悪役がいる事で映画はよりいいものになる。
ジョンウーはこのハリウッド大作で善悪をハッキリ描き分ける事にチャレンジし、それに勝利した、
トラボルタはこの映画で間違いなく演技に幅が出て『フェイス/オフ』に挑む事になったからだ。
同じ境遇で過ごしてきた仲間の裏切りという『男たちの挽歌』から一貫して流れるウー作品のテーマは見られる。
つまりは水と油な2人、核弾頭が盗まれたという壮大なスケールの作品なのにもかかわらず、
この演出にも手を抜いていないジョンウーはやはり偉い、ジョンウーとは何処までも自分の信念を貫く作家なのだ。

だが、映画としては…な部分も少なからずある、
クリスチャンスレーターはアホなくらい正義感は強いし、それについてくるネェちゃんも恐ろしくアホ(笑)
グラハムヨストの脚本は基本的に細部が甘いものばかりで一番いいのは『スピード』だろうが、あれもパクリだ(笑)
つまりはハリウッドのご都合主義作品、ウーファンとして銃撃戦だけでもこだわって欲しかったが、
もう脚本の段階でやる気はなかったのだろうか、モンタージュ、迫力ともに甘すぎる。
ラストの狭いところでやり合うところはジョンウーっぽかったが、それ以外では画面からはジョンウーらしさが見えない、
この映画にクリスチャンスレーターとトラボルタが出ているのはきっとタランティーノと組んだからであろう、
ジョンウーの大ファンである彼が少なからずこの2人に影響を与えたのではないだろうか?
じゃなかったらこんな映画には出ないでしょ(笑)
『ブロークン・アロー』っていうタイトルとプロットも悪くないんだけどねぇ…煮え切らない感じですか?

まぁ映画自体はたいした事ないですわ、ジョンウーが監督してなかったら観ません!

評者

カトキチ

更新日時

2006年03月28日 00時11分

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2021年12月06日 05時43
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