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1971年度のカンヌ国際映画祭でグランプリ(現在のパルムドール賞)を受賞した、ジョセフ・ロージー監督の秀作「恋」

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

この映画「恋」は、1971年にカンヌ国際映画祭でグランプリ(現在のパルムドール賞)を受賞した秀作だ。

原題は「The Go-Between」と言って、「とりもち」という意味らしい。
監督は、赤狩りでハリウッドを追われ、ヨーロッパでしか映画を撮れなくなったジョセフ・ロージー。

そして、「ドクトル・ジバゴ」「ダーリング」のジュリー・クリスティと「まぼろしの市街戦」「フィクサー」のアラン・ベイツという二人の演技派俳優が、恋人たちを演じている。

「恋」は、ロバート・マリガン監督の名作「おもいでの夏」と同じように、中年男の回想から始まる。
だが、それはとても苦い思い出だ。

彼は、12歳の時、寄宿学校で一緒の友人の家でひと夏を過ごさないかと誘われる。
彼には母親しかおらず、貧しく夏服の着替えさえままならないが、友人の招きに応じる。

友人の家は、とても大きな屋敷で、広大な土地を持つ大金持ち。
彼は、友人と二人で少年らしく遊び回る。
しかし、次第に上流階級の人々の欺瞞にも気付いていくのだった。

貧しくて、夏服を持っていない彼を人々はからかい、彼は深く傷つく。
そんな彼を救ってくれたのが、友人の姉(ジュリー・クリスティ)であった。

彼女は、主人公の少年を連れて、夏服を買いにいくのだった。
その時からずっと年上の美しい彼女に、彼は強い憧れを抱く。
だから、彼女に頼まれたことを忠実に守ろうとするんですね。

彼女が「絶対に秘密よ」と言えば、誰にも喋らない。
だが、そのことが次第に彼を苦しめ、追い詰めていく。

彼はある日、友人の家族たちと一緒に、一家が所有する土地にある、川に泳ぎに行き、一人の小作人(アラン・ベイツ)と出会う。

男臭さを発散する小作人を、友人の姉は、ことさら無視し、上流社会の貴婦人らしく、身分違いを思い知らせようとする態度にさえ見える。

だが、主人公の少年は知っているのだ。
彼は、友人の姉から小作人への手紙を頼まれ、何度もとりもちをする。

彼は、小作人のところで話をし、納屋で遊んでいる時の方が、上流階級の人々といるより気楽で好きだったのだが、次第に二人の秘密の重さに耐えられなくなり「もう手紙は預からない」と宣言するのだった。

やがて、悲劇が訪れる。
友人の母親に追求され、小作人の納屋に母親を案内した彼は、そこで大人の恋が現実にどのようなことを行なうのかを目撃するのだった。

身分違いの恋に落ちた男が、その当時の社会でどんな決着をつけなければならないか、彼は12歳で思い知らされるのだ-------。

その夏、彼は人生の苦さを知り、社会の欺瞞を学び、男と女の抑えようのない情熱が生む悲劇を目撃する。
そして、別れの悲しみを味わい、悔恨が疼かせる痛みを覚えるのだ。

だから、夏が過ぎ、秋の服を身に着ける時、少年はもう数か月前のような牧歌的で無邪気な世界には戻れなくなっている。

誰にも、そんな夏があったのではないだろうか-------。

評者

dreamer

更新日時

2021年05月31日 07時43分

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