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ポセイドン・アドベンチャー/カトキチのコメント

rating44.0556

ポセイドン・アドベンチャーへのコメント

採点

rating4

推薦数

+2

コメント

絶えずカメラが動くのが最大のポイント。

レビュー

当時、ハリウッドはアメリカンニューシネマの台頭に押され、低予算で暴力的な映画が主流になっていた。ハリウッド的な大作は時代遅れとされ、企画自体が通らないものも多々あったと言う。そんな中で『ポセイドン・アドベンチャー』は生まれた。メイキングでも語ってる通り、映画ならではのスケール感を持った作品を観客に見せてやろうという心意気が全編にみなぎっている。船が転覆し、逆さになったところから、船底である、上へ登って行くというストーリーが随筆。だが、パニックをリアルに見せただけではおもしろくない。この作品は神の存在論、リーダーとしての気質、待つよりも動く事でチャンスが得られるといった教訓や哲学があり、さらに人間ドラマとしても見応えあるのが特徴的だ。

『ポセイドン・アドベンチャー』で驚いたのは、船の全景が写るシーンはミニチュア撮影だったという事。正直、映画が始まって50分くらいはその事に気づかなかった。ハリウッドならば、それくらいの事はやるだろうと勝手に思ってたが、船が転覆するシーンでも、そのリアルさ故に「おいおい、マジかよ」と思ってしまった。よく考えれば、モノホンの船を転覆させれば、未だに語り継がれるはずで、『タイタニック』の時も引き合いに出されるはずである。それくらい『ポセイドン・アドベンチャー』の特撮は今見ても見劣りしない。

美術もそのリアルさを援護射撃する。転覆してからは当然すべてがセット撮影なのだが、これがよく出来ていて、とても最初から逆さのまま作られたとは思えないリアリティがある。

さて、だがそれだけではリアルさは出ない。『ポセイドン・アドベンチャー』の最大のポイントは絶えず揺れ動くカメラにある。『ポセイドン・アドベンチャー』は船が転覆して、閉じ込められるというストーリーだ。という事は外の景色を一切見せられない。室内ばかり映しても、動くホテルである豪華客船は、船の感じが出ないのだ。それを解決するために監督はどのシーンでもカメラをゆらゆらと動かした。こうする事で、船に揺られている感じが出る。ホントにセットを揺らして役者にも体感させたようなリアリティがある。この撮影は見事だ。手で動かしたとは思えないくらい、ゆらゆらと波と連動したような動きがカメラにある。

これだけでも映画としては極上の物だが、さらに『ポセイドン・アドベンチャー』は観客に問いかけをする。極限状態になった時、リーダーとして一体何が必要なのか?神が存在するならば、一体何のために船を転覆させたのか?人が死んで行く中でジーンハックマン演じるスコット神父は言う。待つだけではダメだと。スコット神父は無理矢理なリーダーシップで人を助けようとし、それで刑事と対立する事になる。だが、生き残るためには人を助けたいと心から思う気持ち、神の助けを待つよりも、自らが動こうとする意志、それが必要なのだという明確なメッセージがある。実際彼に感情移入する人と、しない人に別れるはずだが、結果がどうであれ、彼には人を助けたいという気持ちがあった事はたしかだ。例え神に助けを求めてなくても。

パニック映画の先駆け的存在として有名だが、先駆けどころか『ポセイドン・アドベンチャー』は金字塔を打ち立ててしまった。自分の事ばかりで他人の事は無関心になりがちな今の時代だからこそ観る価値がある。







PS.あ、濡れた生足やパンツなどが見えるところもポイントね、むしろ、そっちが最大のポイントかもしれん(笑)

たはっ。

評者

カトキチ

更新日時

2007年03月19日 23時28分

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