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四十挺の拳銃/hacker2のコメント

rating44.0000

四十挺の拳銃へのコメント

採点

rating4

コメント

サミュエル・フラーの最高傑作....ラストがもしなければ。

レビュー

サミュエル・フラーの名前を最初に意識したのは、ゴダールの『気狂いピエロ』(1965年)で、ベルモンド演じる主人公の「映画とは何か?」との質問に対し「映画とは、戦場のようなものだ。愛、憎しみ、アクション、暴力、そして死。要するに、エモーションだ」と答えたのが、すごく印象的でした。

その後、フラーの映画は何本か観ましたし、『最前線物語』(1980年)は傑作と呼べるレベルでしょうが、一番印象に残っているのは本作です。本作は、フラーが監督のみならず、制作と脚本も兼務していて、いわば好き放題に撮った映画です。ただし、配給会社の要請だったのでしょうが、リリースされた作品のラストは大甘になってしまいました。

本作のベースとなっているのは、ジョン・フォードの有名な『荒野の決闘』(1946年)で、こちらは、ワイアット・アープ兄弟とクラントン一家とのOK牧場の決闘の史実を元に作られたものですが、偶然でしょうが、バート・ランカスター(ワイアット・アープ役)とカーク・ダグラス(ドク・ホリデイ役)が共演した『OK牧場の決斗』も、本作と同年に公開されています。

本作の最大の特徴は、クラントン一家のボスにあたる役を、40人の荒くれ者を率いて、政治家に賄賂をふりまき、弟を溺愛する女牧場主という設定にしたことで、映画史に名を残す大女優バーバラ・スタンウィックが演じています。撮影当時、彼女は50歳でしたが、とてもそんな風には見えませんし、黒づくめのカウボーイ・スタイルで白馬にまたがる姿の形良さはさすがです。

彼女とワイアット・ワープ役にあたるバリー・サリヴァンの、二人に共通する家族への強い思いと敵対関係にありながらの恋との板挟みが、物語の中心となる葛藤なのですが、それよりもまず、長廻し、移動撮影、ワンシーン=ワンカット、陰影の利いた画面構成など、フラーが好き放題に撮っているのが、本作の最大の魅力です。

そして、ラスト直前、サリヴァンの弟を殺したスタンウィックの弟が、姉を盾にサリヴァンと対峙する場面では、サリヴァンは冷酷にスタンウィックを撃った後で、許しを請う弟に対して、一発で仕留めようと思えばできたはずなのに、何発も撃って、なぶり殺しにするという、衝撃のシーンがあります。

ただし、その後で、すべてをぶち壊しにするような、正に取ってつけたラストが待っています。これは、明らかに商業的理由によるものでしょうが、これがなければ、正に大傑作だっただけに惜しいものがあります。

しかし、それでも、全体を通して見られる、「これぞ映画!」と言いたくなるような画面構成は、カラーの脱色では再現不可能な美しい白黒画面と併せて、観たものに強い印象を与えます。映画がいかに多くのものを失ってきたかを教えてくれる作品でもあります。

評者

hacker2

更新日時

2021年05月18日 09時59分

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2021年11月28日 08時13
2021年11月28日 08時13
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