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スパイクス・ギャング/hacker2のコメント

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スパイクス・ギャングへのコメント

採点

rating5

コメント

リチャード・フライシャーの最良の映画の一つ

レビュー

この頃作られた、老いたカウボーイと若者の関係を描いた映画というと、ジョン・ウェイン主演『11人のカウボーイ』(1972年)とリチャード・ウィドマーク主演『ロッキーの英雄・伝説絶ゆる時』(1972年)を、私は思い出します。リー・マーヴィン主演の本作も、基本的には、その流れをくむようですが、決定的に違うのは、老人の人生に対して、まったくネガティブであること、老人の生き方に憧れを抱いた若者たちを容赦しない点です。

映画は、農夫の子供である仲良しの三人の若者、ウィル(ゲイリー・グライムス)、リー(ロン・ハワード)、トッド(チャールズ・マーティン・スミス)が、傷ついて倒れていた銀行強盗犯ハリー・スパイクス(リー・マーヴィン)を助ける場面から始まります。動けるようになったスパイクスは、三人に「必要な時は、いつでも力になる」と礼を言って、立ち去ります。しかし、スパイクスを助けたことにより、ウィルは父親から厳しい折檻を受け、家出を決意します。そして、リーとロンも彼に同行します。

しかし、三人は思うように仕事を見つけることができず、飢えのあまり銀行強盗を行いますが失敗し、その時に事もあろうに上院議員を殺してしまいます。メキシコに逃れた三人は、ケチな泥棒を働いて、留置所に放り込まれていたところを、偶然通りかかったスパイクスに救われます。そして、スパイクスの手助けをして、本格的な銀行強盗を行うことになったのでした。

本作でのスパイクスの印象的な台詞は「この稼業は引き際が大事だ」というものです。また、一場面だけ登場する老いたアウトロー(アーサー・ハニカット)に対して「お前はもう運を使い果たした」と言う台詞も、表面上の格好はつけていても、自身の老いへの自覚を感じさせるものです。そして、ほとんど白くなった髭をたくわえている彼は、最後には引き際を求めて、上院議員を殺した若者たちを売ることになります。スパイクスに憧れて、アウトローの道を歩んだ三人の若者は、結局スパイクスに見捨てられ、ウィルはスパイクスと相撃ちとなって、四人の主要登場人物は皆悲惨な死を迎えるのです。

この映画は、アウトローの正体というものを描いてはいますが、同時に、この三人の若者たちには、レマルクの小説『西部戦線異状なし』で、第一次大戦に義勇兵として参戦する若者たちの姿も重なります。それは、当然、ベトナム戦争を連想するわけですが、平凡でも平和な生活を捨て、自らの意志で殺し合いの世界に飛び込んだ若者たちを容赦していないところに、フライシャーの冷徹な視線を感じます。

また、こういう昔の西部劇を観ていていつも感心するのは、撃ち合いの場面での人物の位置関係を、さり気なく、かつしっかりと観客に伝えていることで、四人の銀行強盗の場面、ウィルとスパイクスの狭い部屋での撃ち合いなどは、本当にうまいと思います。

フライシャーの曲者ぶりが、いかんなく発揮された映画です。

評者

hacker2

更新日時

2021年05月10日 15時33分

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