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旅のおわり世界のはじまり/hacker2のコメント

rating55.0000

旅のおわり世界のはじまりへのコメント

採点

rating5

コメント

久しぶりにスクリーンで見る映画のヒロインらしい存在!

レビュー

黒沢清は、言うまでもなく、北野武と並ぶ現代日本映画界を代表する作家です。彼がまた新しい傑作を撮りました。

物語の詳細は触れませんが、簡単に言うと、ウズベキスタンにTVレポーターとして出かけて行った若い女性が、世界の中での自分の立ち位置を探るの話なのですが、なによりも、本当に久々に見る日本の女性映画であり、前田敦子が、これも久々に見る、映画のヒロインと呼ぶにふさわしい存在感と演技を見せています。

殊に、映画の前半は、彼女の顔や姿を正面から捉えるカットが少なく、彼女に後ろ姿の演技、待ちの演技を多々させておいて、映画のラストが彼女の顔のクローズアップで終わるという計算されつくした演出、またそういう難しい要求にしっかり答えを出している前田敦子が素晴らしいです。

なかでも、深夜、ホテルの一室で外から漏れる光だけで、彼女の顔がほとんど見えない中で(こういう演出、信じられます?)、日本にいる恋人からの電話に泣きながら話をする場面は、『青の愛』(これも見事な女性映画でした)でジュリエット・ビノッシュが電話をかけている後ろ姿を映したままで「あなた独り?」「もちろん、独りだ」「行くわ」との会話を終えた後、振り向いた時、頬に涙が光っているという名場面を連想させて、感動的です。

更には、ラストで山の頂で、カットを切らずに『愛の讃歌』を歌う姿!オリジナルの仏語になるべく近い歌詞ということで、大竹しのぶも使った松永裕子の訳詞を用いたそうですが、この狂気の愛の歌を、大竹しのぶ、美輪明宏、美空ひばり、加藤登紀子あたりが歌うのはわかるものの、前田敦子の年齢でこれを歌いこなすのは大変なことだとは思いますが、聴いていて、不覚にも落涙してしまいました。

繰り返しですが、一言で傑作です。映画ファンなら、お見逃しなく。

評者

hacker2

更新日時

2019年12月21日 10時50分

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2021年12月08日 07時22
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