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運び屋/hacker2のコメント

rating55.0000

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採点

rating5

コメント

実在した90歳の麻薬運び屋をモデルに、クリント・イーストウッドがおのれの人生を語った作品です。

レビュー

90歳になろうかというイーストウッドが主役を演じるのはこれが最後だろうし、監督としても最後になるかもしれないと思って観に行きました。正直あまり期待していなかったのですが、見事に裏切られました。素晴らしいです。

90歳のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、一日しか花を咲かせないデイリリーの栽培に全力を投じ、家族のことはかえりみない生活を送ってきました。結果、妻には離婚され、娘の再婚の結婚式よりデイリリーの品評会を優先したため、娘とは絶縁状態になります。そしてデジタル音痴であるがゆえに、世の流れに乗り遅れ、デイリリーの農場も家も手放さざるをえなくなります。

そんな時、高齢であること、いまだかって無違反であることをかわれ、巨額の麻薬の運び屋をやることになります。誰も、90歳の老人が安全運転をしているトラックなど調べないというわけです。しかし、切れ者の麻薬捜査官はタタ(アールのギャング内での呼び名)という名の運び屋のスペシャリストがいることを突きとめ、徐々に包囲網をせばめていくのでした。

まず、デイリリーという花が、上映時間という短い時間しか生きられない映画の象徴であることは言うまでもないでしょう。そして「家族より外で注目される人生を選んだ」というアールの台詞は、あまり良き家庭人ではなく、女好きだった(それを彷彿とさせる場面もあります)イーストウッドの人生そのもののようです。しかし、本作には、そういう人生に対する後悔の念もないわけではなく、アールの娘役に、実の娘アリソン・イーストウッドを起用したことにもそれはうかがえますが、それもこれが俺の人生だったという満足感の方が感じられます。

映画のラストで逮捕され裁判に臨んだアールは、弁護士の制止を振りきって、自ら有罪を認めるのですが、裁判所から去る時の年齢からのヨチヨチ歩きは、『殺人狂時代』(1947年)のラストで処刑場へと歩む年老いたチャップリンの後ろ姿を連想させて、感動的です。さらに、刑務所の中でもデイリリーの栽培をしているアールの姿を映し出して、映画は終わるのです。

傑作ぞろいのイーストウッドの作品でも『許されざる者』(1992年)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)が特に好きですが、本作はそれに負けないぐらい好きです。

イーストウッドはまだまだこれからです。

評者

hacker2

更新日時

2019年07月04日 10時02分

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2022年01月26日 17時55
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