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ビューティフル・デイ/hacker2のコメント

rating33.0000

ビューティフル・デイへのコメント

採点

rating3

コメント

原作があるとは言え、明らかに『タクシー・ドライバー』を下敷きに『レオン』をまぶした映画になっています。

レビュー

認知症の母親と二人暮らしの主人公ジョー(ホアキン・フェニックス)は、売春組織に取り込まれた少女を親の元に連れ戻すことを仕事としています。そのためには、殺人も行います。と言うか、それを避けようとしていません。彼はおそらくはイラク戦争のPTSDに悩んでおり、強い自殺願望も持っています。「おそらくは」と言うのは、彼の過去はフラッシュバックで観客は知るのですが、実際に何が起こったのかがきちんと説明されるわけではないからです。

パンフレットを読むと、原作では、このあたり(「仕事」の道具には銃ではなく、まずハンマーを選ぶ理由等)がきちんと書きこまれているそうですが、映画ではあえて省略しています。それはそれで良かったのではないかと思います。

中心の物語は、いつもの斡旋人を通じて受けたある上院議員の娘ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を助けるものの、依頼人の上院議員はビルの高所から落下して死亡(おそらく殺人)、彼自身も殺されそうになり、何とか逃れますが、娘は奪還されます。さらに斡旋人や母親など彼の関係者が次々と殺されます。背景には何があるのでしょうか。

このあらすじでお分かりのように、ベトナム戦争帰りのトラヴィスとイラク戦争帰りのジョー、少女売春婦のアイリスと同じ少女売春婦のニーナを持ち出すまでもなく明らかに『タクシー・ドライバー』が下敷きです。殊に、ニーナを演じるエカテリーナ・サムソノフがジョディー・フォスターそっくりで、おまけにそれ以上に美しいのは偶然とは思えません。それに『レオン』をまぶしたと言えば分かりやすいでしょうか。

ただ、内容は分かりやすくはありません。You Were Never Really Here という原題が語るように、実は、この映画で語られていることのどこまでが事実なのかは曖昧なところ、もしかしたら精神を病んだ主人公の妄想が相当入っているのではないかと思わせるところが、不思議な印象を観客に与えています。

映画として観た場合、いささかクローズアップが多いのは少し気になるのですが、通常の人間の視点ではありえない地面を這うようなカメラ・ポジションなど、主人公のオプセッションを連想させる撮り方は、リズムにはまると慣れてきます。何度か描かれる突然の暴力の描写も、主人公のフラッシュバックそのもののようです。

正直、おもしろいのかと聞かれると、素直にYESとは言えないのですが、不思議な魅力のある作品です。

評者

hacker2

更新日時

2019年01月08日 11時27分

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2021年01月26日 01時03
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