みんなで作る映画データベース
  1. トップ
  2. 映画一覧
  3. ドラマ
  4. 恋愛と青春
  5. ガン・ファイター
  6. hackerのコメント

ガン・ファイター/hackerのコメント

rating55.0000

ガン・ファイターへのコメント

採点

rating5

コメント

反骨の士ダルトン・トランボの手に成る脚本が素晴らしい愛憎劇の傑作

レビュー

黒ずくめの「悪役」と、彼を認めながらも、彼を逮捕しようとする「善玉」の構図は、同じロバート・アルドリッチ監督の傑作『ベラ・クルス』(1954年)の二番煎じのようですし、それにハワード・ホークス監督の傑作『赤い河』(1948年)で扱われた牛を引き連れての大移動を絡ませて、いかにも面白くなさそうな設定なのですが、内容はまったく違います。その大きな理由は、アルドリッチと同じく反骨の士であったダルトン・トタンボによる見事なシナリオです。物語を簡単に紹介します。

南北戦争終結後の西部が舞台です。詩を吟じ、歌もうまく、女にももてる、黒づくめの服を着たオマリー(カーク・ダグラス)は、殺人を犯してメキシコに逃げてきます。実は、メキシコには10代だった頃の初恋の相手であり忘れることのなかった女性ベル(ドロシー・マローン)が、牧場主と結婚して住んでいたのでした。彼を追って、保安官ダナ(ロック・ハドソン)も国境を越えてやってきます。普通、メキシコに逃げ込んだ相手を追跡しないものなのですが、オマリーの殺した相手は妹の結婚相手であり、妹がそれを悲観して自殺したという事情を持つダナは、復讐に燃えて追いかけてきたのでした。しかし、ダナはベルに一目ぼれしてしまいます。オマリーは、そんなダナに、ベルの夫ジョン(ジョセフ・コットン)に頼まれたテキサスまでの牛追いの仕事をもちかけます。メキシコでは俺は逮捕できないが、リオ・グランデ河を渡れば、逮捕できるだろうと。結局、二人は憎しみを内に秘めて、この仕事をすることになります。一方で、ベルの娘で16歳のミッシー(キャロル・リンリー)はオマリーに恋してしまうのでした。

この映画は、とにかく、オマリーを軸とした登場人物二人の台詞のやり取りが実によく練られていて印象的です。オマリーとダナ、オマリーとベル、オマリーとミッシー、これらの会話の密度の濃さが、本作の命です。それに比べると、ダナとベルの会話などは、ちょっと平凡です。言い換えると、『ベラクルス』のタイトルのキャスト表示のトップはゲーリー・クーパーに譲ったバート・ランカスターが映画全体をかっさらったように、本作でもロック・ハドソンにトップを譲ったカーク・ダグラスが映画全体をかっさらっています。

また、脇役ではあるのですが、南軍に参加したものの、戦場から逃げ帰った(らしい)ことが心の負い目になって、酒におぼれているジョンというキャラクタも、戦争による精神障害というトランボらしい人物像で印象的です。さり気ないのですが、演じるジョセフ・コットンも上手いです。

西部劇というスタイルをとりながら、中身は愛憎劇というのは、偽名で『ローマの休日』(1953年)のシナリオを書いたトランボの生き方そのもののようです。アルドリッチ作品としても、トランボ作品としてもマイナーかもしれませんが、映画好きならば必見です。

また、本作のラストは、某有名フランス映画がパクっています。アラン・ドロン主演ですが...これだけでも分かる人は分かってしまいますね。

評者

hacker

更新日時

2017年11月12日 06時52分

コメントの推薦

データがありません
2021年01月22日 00時00
2021年01月22日 00時00
©ずばぴたテック