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ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火/hackerのコメント

rating44.0000

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火へのコメント

採点

rating4

コメント

人間の(と言うより、男の)闘争本能、戦争を好む嗜好を、未知の戦車という姿に凝縮させた寓意性に満ちた戦争映画

レビュー

第二次大戦の独ソ戦線、劣勢のドイツ軍に突如「ホワイトタイガー」とソ連兵が呼ぶ一台の戦車が現れます。通常の砲弾では貫通できないほど装甲が厚く、十数台のソ連戦車隊が全滅させられたりします。そうした中、ホワイトタイガーの攻撃を受け、焼け焦げた戦車の中から全身90%の火傷を負いながら助け出された記憶喪失の男が、驚異的な回復力をみせて、ホワイトタイガーの撃破を誓います。彼は、しかし、名前や家族に関する記憶を一切失っていて、「発見されたイワン」という意味のイワン・ナイジョノフという名前を与えられます。しかも彼は、機械である戦車と交信できる能力を身につけていたのでした。しかし、ホワイトタイガーは神出鬼没、追尾も不可能ならば、出没しえない場所にも突如現れたりします。はたして、この対決の行方はどうなるのでしょうか。

寓意性の強い戦争映画というと思い出すのは、もちろん、コッポラの『地獄の黙示録』(1979年)がありますし、シドニー・ポラックの『大反撃』(原題は'Castle Keep'、1969年)も印象的な作品ではありますが、この両作は共に原作があるのに対し、本作はオリジナルだという点、さらに、SFともホラーとも言える要素が強い点が特徴です。

しかし、最大の特徴は、ホワイトタイガーとイワンの闘いには決着が着かないで終わる、つまり映画の中で第二次大戦は終わりを迎えるという点です。終戦を告げられたイワンは最後に「あいつは隠れている」と言い、自らの闘いが終わっていないことを上司に告げます。そして映画は、どこか分からない場所で、誰か分からない相手に、ヒトラーとおぼしき人物が「戦争は人間と言うより男、そもそも戦車自体が男の象徴です)の本質だ」という主旨の発言をしている場面で終わるのです。

ある意味、消化不良なエンディングなのですが、最後のヒトラーとおぼしき人物の発言が、この映画の根底に流れるものなのだと思います。ホワイトタイガーにとは何なのか、そもそも人が操縦しているのか、そもそも現実ではなく理念の塊なのか、ということに対する答えがあるのではないでしょうか。つまり、人間(が存在する以上、悪意が存在する以上、戦争はなくならないのではないかというペシミスティックな世界観が支配する映画なのです。

最後ですが、と言うより、これを最初に強調すべきなのでしょうが、実物の戦車を惜しげもなく投入し破壊する戦闘場面は本当に迫力があります。戦車の位置関係を適切に表現するカッティングも素晴らしいです。本作はCGではとても撮れない映像に満ちているのです。

ちょっと不思議な、忘れ難い印象を残す映画です。

評者

hacker

更新日時

2017年10月29日 10時52分

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2021年11月28日 08時22
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