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必殺の一弾/hackerのコメント

rating55.0000

必殺の一弾へのコメント

採点

rating5

コメント

'The Fastest Gun Alive'という原題が印象的な、隠れた西部劇の傑作

レビュー

「どんなにお前が早くても、どこかにお前より早い奴がいる」これは、本作の冒頭で、見るからに悪役のハロルド(ブローデリック・クロウフォード)が、早撃ちで評判の男に挑んで倒した後に、盲目の男性に言われる言葉です。

本作の主人公ジョージ(グレン・フォード)は小さな町で、妻のドーラ(ジーン・クレイン)と雑貨屋を営んでいます。彼は銃も持たず、強い酒も飲まず、おとなしく暮らしているのですが、実は、早撃ちと射撃の名手なのですが、妻にもう銃は握らないと誓い、それを隠して暮らしているのでした。しかし、そんな生活に強いストレスを感じてもいました。

そんな時、ハロルドの決闘の様子を偶然見ていた町の人間が、その様子を得々と語るのを聞いているうちに、その感情が爆発してしまい、人間業とも思えない自分の腕前を町民の前で披露してしまいます。しかし、彼には父親の復讐を果たしていないという強い負い目がありました。そして、銀行強盗を行ったハロルド一味が、逃走中に、ジョージの町に馬の交換のために立ち寄ります。二人は必然的に決闘へと導かれるのでした。

本作の最も印象的なのは、自分に射撃を教えこんだ父親を殺されたにもかかわらず、その復讐も果たそうとしていないジョージと、妻が配下の者と逃げてしまったハロルドという、二人のコンプレックスを抱えた、陰影のある善悪の登場人物の描き方です。

そして、一種の怪物を、そうとは知らずに抱え込んでしまった町民の、ジョージに対する複雑な思いと反応も、ちょっと『真昼の決闘』を思い起こさせるシチュエーションなのですが、とても興味深いものです。

最後は、この時代の西部劇ですから、ハッピー・エンドではあるのですが、銃を使うことの虚しさと、銃を使わないことの臆病さを並行して描いている点は、あまり例を見ないでしょう。

展開の緊迫感といい、どこか悪の漂う役が似合うグレン・フォードも、とても良いと思います。隠れた西部劇の傑作でしょう。

評者

hacker

更新日時

2017年10月09日 10時10分

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2021年12月08日 07時09
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