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手紙は憶えている/hackerのコメント

rating44.5000

手紙は憶えているへのコメント

採点

rating4

コメント

「記憶」と「謎」の作家アトム・エゴヤンらしい映画

レビュー

カナダの映画作家アトム・エゴヤンの作品は、隠された「記憶」と「謎」が最後に暴かれて、映画の全体像が一気に姿を現すというのが特徴ですが、本作は正にその典型です。そういう構成のせいでしょうか、妙に印象に残る作品が多いのです。本作の物語を簡単に紹介します。


アウシュビッツからの生還者、90歳で妻が最近死んだことも忘れてしまうぐらい認知症が進んでいるゼヴ(クリストファー・プラマー)は、やはりアウシュビッツの生還者で同じ介護施設で暮らしているマックス(マーティン・ランド)から、妻が死んだら果たすと決めていた約束を果たすように言われます。

すなわち、アウシュビッツで二人の家族を直接殺したオットー・ヴァリッシュが、ルディー・コランダーと身分を偽って、アメリカに逃れてきており、四人の同名の人間の所在は探しだしたので、彼らを訪ねて本物がいたら、ゼヴなら必ず分かるので、射殺してほしいというものです。身体の不自由なマックスは、拳銃の入手も含めて、その旅のアレンジはすべて終了し、詳細は手紙に書いてあるので、実行してくれというのです。ゼヴは、マックスの詳細なプランが書かれた手紙を持って、復讐の旅に出かけるのでした。


エゴヤン監督作品は、その特徴が分かっているので、最後に何が待ち受けているのかと思いながらも観始めても、途中のサスペンスの盛り上げ方が実に巧みで自然なので、観ている間はそういうことを忘れてしまいます。

本作では、ルディー・コランダーの一人が、ドイツ人でアウシュビッツにいたとはいえ、ホモセクシュアルであったために収監されていたことが分かる場面や、別のルディー・コランダーは既に死んでいたものの、アメリカでも白人至上主義者たちとナチを信奉しており、感化されて育ったその息子と争いになったゼヴが相手を殺してしまう場面などがそれに該当します。

このような一種の社会批判を含んでいるのも、本作の魅力ではあるのですが、「記憶」と「謎」の不可解さがやはり印象に残ります。

この監督は名匠とか巨匠とか呼ぶ雰囲気はないのですが、映画の基本はしっかりと理解していますし、多くの佳作を残していて、その点において映画史に名を残すだろうと思います。

評者

hacker

更新日時

2018年03月17日 10時58分

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