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映画そのものの出来よりも、アデル・エグザルコプロスという女優を世に送り出した映画として将来記憶されるかもしれません。
原作はジュリー・マロのコミック『ブルーは熱い色』です。原作のヒロインの名前はクレモンティーヌですが、それをアデルに変えたのは、女優の名前がアデルであったこと、アデルというのはアラブ語で正義という意味であること(監督はチュニジア生まれで6歳の時にフランスに移住)、トリュフォーの『アデルの恋の物語』(原題は L'histoir d'Adele H「アデルの物語」、これに対し本作の原題は、これも原作とは別の La vie d'Adele 「アデルの人生」)が念頭にあったであろうこと等が、その理由と思われます。
しかし、ヒロインの名前を、それを演じる女優のものに変えるというのは相当なことで、アデル・エグザルコプロスはそれだけの存在であることは、本作を観れば分かります。正直なところ、映画の撮り方としては、クロ−ズアップの多用など、必ずしも私の好みではないのですが、彼女を見ているだけで、3時間を費やす価値は十分あります。彼女の同性の恋人エマを演じたレア・セドゥも全然悪くないのですが、才能のレベルが違うという印象です。
将来、本作はアデル・エグザルコプロスという女優を世に送り出した映画として記憶されることになるかもしれません。そのぐらい素晴らしいです。
また、「第一章、第二章」という副題をつけたのは、アデルのこれからの人生がどうなるのか分からないからだという趣旨の発言を監督しており、この作品を作りながら、やはりトリュフォーのアントワーヌ・ドワネルものが頭にあったとも述べていることから、女優であるアデルの成長とともに、映画の中のアデルの今後にスクリーン上で会う可能性はないとは言えなさそうです。
色々な意味で必見です。
2015年02月11日 19時59分
素晴らしい洞察 | imdbのページご覧になりました? 面白いかもしれないのでぜひ! |
2015-03-13 おれんか |