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危険なプロット/hackerのコメント

rating44.0000

危険なプロットへのコメント

採点

rating4

コメント

「覗き」という映画の本質と、ヌーヴェル・ヴァーグの伝統である、文学への愛着を融合させた意欲作

レビュー

高校の仏語教師のジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、宿題で出した生徒の作文をうんざりしながら添削していると、クロード(エルンスト・ウンハウアー)という生徒の作文に目をひかれます。内容は、クロードの友人宅を訪れた時の様子を書いたものでしたが、中産階級に対する皮肉な観察眼と表現力に感心します。ジェルマンは、クロードの文才を伸ばそうと個人教授を始めるのですが、そのうちにクロードの「覗き」に次第に巻き込まれていくのでした。

言うまでもなく、他人の生活の「覗き」は、映画の本質です。「覗き」をテーマにした作品は、ヒッチコックの傑作『裏窓』(本作のラストはもろにこの映画へのオマージュです)を例に出すまでもなく、多々ありますが、本作もそれを取り扱っています。

それに、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たち、なかんずくゴダールとトリュフォーが愛した「文字の世界」が展開されます。フローベール『ボヴァリー夫人』やセリーヌ『夜の果てへの旅』など、色々な名作が引用されているのです。

さらに、オゾン監督の世界である、ホモ・セクシュアル、親子関係、夫婦関係、家族関係をめぐる謎が展開されています。

実はジェルマンはかって作家を志したのですが、凡作しか書くことができず、あきらめた過去があり、また妻ジャンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)との間には子供がいないため、作家の夢と息子の姿をクロードの中に見ているのです。そして、ジャンヌから指摘されるのですが、それはもしかしたら同性愛かもしれないのです。

オゾン監督作品らしく、こういう「謎」には、明確な「答え」は出しません。最後は、ジェルマンとクロードの関係、映画と文学を追及する関係がこれからも続いていくだろうことを暗示して終わります。それは、オゾン監督自らの今後の生き方を表明しているとも言えそうですし、老い行くジェルマン=オゾン監督は、自分と同じ道を追及する、ヌーヴェル・ヴァーグの伝統を引き継ぐ若いクロード=若き監督を待ち望んでいるとも解釈できます。

オゾン監督作品は、いつも面白いです。

評者

hacker

更新日時

2014年03月21日 09時15分

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