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ローラ/hackerのコメント

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ローラへのコメント

採点

rating5

コメント

ファスビンダー・ファミリー最高の美女バーバラ・スコヴァの魅力満載の傑作

レビュー

失礼ながら、ファスビンダーの映画に出てくる女優さんたちは、あまり美しい方はいないよう(失礼!)で、世界的に最も有名なハンナ・シグラも魅力たっぷりではありますが、美人というよりはファニー・フェース(ファスビンダーは「下町のマリリン・モンロー」と呼んでいたそうですが)でしょう。それは、監督の趣味の問題なのか、一般的にドイツ人に美人が少ないのか、よく分かりませんが、この映画の主演女優バーバラ・スコヴァは、その中では例外的な美形と言えそうです。

もっとも、マレーネ・ディートリッヒがセクシーな衣装の歌手ローラを演じて、その名を世界に知らしめた『嘆きの天使』を意識した作品となると、当然外見だけで相当インパクトのある女性を本作の主役のローラにしなければならないわけで、発散するオーラでは敵わないものの、キャスティングとしては成功しているでしょう。一言で言って、美人ですし、スタイルも良いです。また、ローラを子持ちという設定にしたのも、『嘆きの天使』を演じていた時のディートリッヒがそうでしたから、そのオマージュだと思います。

映画は、50年代の地方都市を舞台とし、第2次大戦からの復興のための「ハコモノ」作りをめぐって、業者と政治の癒着と腐敗が、物語の背景にあります。

この都市に、「ハコモノ」の建設許可認可を担当する、生真面目な中年の役人フォン・ボーム(アーミン・ミューラー・スタール)が赴任して、それまで好き放題だった業者の代表格であるシュッケルト(マリオ・アドルフ)の動きを牽制し始めます。シュッケルトのお抱え娼婦ローラ(バーバラ・スコヴァ)は、そんなフォン・ボームに興味を抱き、堅気の娘を装って、彼に近づき、ついには結婚を申し込まれるまでになるのですが...

ドラマとしてのこの映画の最高の見せ場は、初めて娼婦の館に行き、そこに町中の名士がいるのを見て呆然としているフォン・ボームの前に、ローラがセクシーな衣装を着けて登場し、歌を歌い、フォン・ボームを絶望へと追いやる場面でしょう。これは、もちろん、『嘆きの天使』への素晴らしいオマージュです。

ところで、映画のラストでは、「体制」に取り込まれてしまったフォン・ボームとローラは結婚することになるのですが、実は『嘆きの天使』でもエミール・ヤニングス演じる中年の教師はローラと結婚しています。一方、『嘆きの天使』では、女の裏切りにより、男の人生と精神が破壊されるまでを描いているのですが、本作では、一見幸せの絶頂である結婚の後で、女の裏切りが始まっていることを見せて終わります。これはファスビンダー流のひねりで、『嘆きの天使』を観ている者にとっては、フォン・ボームの将来に何が待ち受けているのか分かるので、そこまでは描いていないのです。

バーバラ・スコヴァは、一見清純そうな外見の裏側で娼婦をやっているという設定が実にぴったりで、『ベルリン・アレクサンダー広場』でも似たような役柄を演じています。彼女を見ているだけでも満足できますが、作品全体のメロドラマ調と皮肉な展開ー将来に「愛の地獄」を暗示する−は、正にファスビンダーの作品ですね。

評者

hacker

更新日時

2013年03月21日 13時40分

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