6日間で撮られたと言われる、B級低予算映画のカルト的作品
LAに移り住んだ恋人に会うために、NYからアメリカをヒッチハイクで横断しようとしたアル(トム・ニール)ですが、なかなか思うようにはいかず、金も底をついたところで、妙に気前のいい男に拾われます。ところが、この男は心臓発作で急死してしまい、男が持っていた金と車に目がくらんだアルは、この男に成りすまして、LAまで旅をしようとします。しかし、たまたまヒッチハイカーの女性ヴェラ(アン・サヴェージ)を乗せたところ、彼女は以前に死んだ男の車に乗ったことがあり、アルが偽者であることを見抜いたのでした。そして、アルを自分の意のままに操ろうとします。彼女の行動と命令は、次第にエスカレートしていき...
わずか6日間で撮影されたこと、実に低予算であったこと、芸名どおりの荒々しさを感じさせるアン・サヴェージ演じる悪女の凄まじさ、ふとした出来心からどんどん深みにはまっていく男の焦燥感の描写、それらを支えるよくできた脚本、1945年という製作年度などによって、海外ではカルト的人気を博している映画です。
現在の視点から見て興味深いのは、主人公に対する女性からの性的アプローチを見せている点と、女性の性的欲求不満の表現で、もちろん控えめではありますが、これなども、現在に至るまで、この作品が名を残している一つの要因でしょう。
カルトと言うと、ゲテモノと紙一重みたいな作品が少なくありませんが、本作はかなりしっかりと作られたカルトです。一見の価値ありです。
2013年01月22日 12時42分
データがありません |