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SHAME シェイム/おれんかのコメント

rating44.6667

SHAME シェイムへのコメント

採点

rating5

推薦数

+2

コメント

視覚的に、エロティックなものを見せられているはずなのに、官能的な陶酔感とはほど遠い、ひりひりした痛みと哀しみにあふれています。

レビュー

言葉を失ってしまったHunger。この映画は同じコンビでの2作目です。
Hunger同様、なぜ?どうして?どうしたらこの人は救われるの?…という答えのない問いが頭の中を駆け巡ります。
映画は始まった時点から終わるまでの数日(〜数週間?)の出来事を、忠実に記録しただけであるかのよう。その数日の間に主人公たちに起こっていることしか見せてくれません。見る側の想像力にまかせているのか、誰にでも当てはまるテーマとして敢えて絞っていないのか。 ワンショットが半端でなく長いのがこの監督の特徴なのですが、いつも目が離せなく、妙にリアリティを持って圧倒されます。

ブランドンの問題はセックス依存症ではないのです。家族をはじめ、人と向き合い、愛情や信頼のある関係を築けないことです。 
原因は判りません。何かのトラウマがあるのは確かでしょうってくらい。親に起因するのかもしれません。 
妹が男に捨てられて追いすがっている姿なんて、誰も見たくも聞きたくもないと思います。 当たり前です。ブランドンもとても辛そう。でも何もしません。なぜ?別に妹に怒っても、相手の男を殴りに行っても構わない。兄として妹を思いやるフツーの行動だと思います。そしてブランドンも本当はそうしたいのです。でも何もしない(できない?)のです。何をしたらいいのかもわからないみたい。そして自分も傷ついています。
ブランドンが自分で認識し、軌道修正しようとしたのは、セックス依存症だけ。でもすり替えられているセックス依存症をやめようと、ポルノグッズを捨て去っても、何の解決にもならないでしょう。
ブランドンがセックス依存症とすり替えている『何か』が何なのか、直接的には判らないままですが、ただ痛々しい。
ブランドンとシシ―は同類に見えます。どちらも愛情に飢えているようです。ブランドンは愛情を求めてすがりたい依存心を表向きの自立とカジュアルなセックス依存症にすり替え、シシ―はそのまま、「愛しすぎる女」と化して暴走、ブランドンにも甘えてぶら下がりたがります。正直、シシ―の甘えんぼなんて、別にいいじゃないと思います。ブランドンがシシ―に冷たいのは、そうだと認めたくない、自分を見せつけられるからなのかしら?
ブランドンが恋人(予備軍)とはセックスできない理由がシシ―とセックスするわけにいかないから…という解説を見聞きしたと思います。でも私的にはそうかしら?と思いました。
ここまでセックスに対しての線引きの低い男が、今さら近親相姦だけは律義に避けるだろうかと言う疑問が浮かびます。
彼らの苦悩が、兄妹という一線を越えるだけで解決するなら、それもアリではないかと、背中を押してあげたくなるほど、二人とも痛々しい。
最後の乱交シーンなんて、痛々しくって、首ねっこを掴んで引きずり出してやりたくなりました。 そうしてくれる友人や家族もない孤独さ。ブランドンのセックス依存はシシ―の自傷と同様、自分を傷つけ、罰してるみたい。
ブランドンとシシ―の苦悩は解決の糸口を見出さないまま映画は終わります。

彼らの苦悩はこれからも続くのでしょう。 美しい映像とミニマムで美しい音とともに、果てしない絶望感が残って、また言葉を失います。
でもその絶望感に陶酔して浸っていたい自分もいます。
ひりひりと痛いのに、とても惹きつけられてしまうのです。

評者

おれんか

更新日時

2012年11月15日 09時10分

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