みんなで作る映画データベース
  1. トップ
  2. 映画一覧
  3. ドラマ
  4. 恋愛と青春
  5. モールス
  6. hackerのコメント

モールス/hackerのコメント

rating55.0000

モールスへのコメント

採点

rating5

推薦数

+1

コメント

ありとあらゆるホラー映画へのオマージュに満ち満ちた傑作。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

オリジナルの『ぼくのエリ 200歳の少女』は未見なので、どの程度アイデアが借用されているかは分からないのですが、やはり12歳のまま生き続ける吸血鬼の少女と孤独な少年との愛というストリー・ラインが素晴らしいです。これは、もちろんオリジナルからのものですが、本作の出来に傷つけるものではありません。

監督のマット・リーヴスは、『クローバー・フィールド』の手持ちカメラを振り回す演出とはうって変わって、本作では正攻法の演出で、あらためてその力量を認識することができます。そして、『クローバー・フィールド』と共通するのは、過去の映画へのオマージュの連発であり、彼の映画への愛です。

不老不死の女性と歳を取る男性という設定は『ハンガー』、主人公の少年少女が出会うジャングル・ジムは『鳥』、少女に血を吸われ、吸血鬼になった女性が陽の光を浴びて燃え上がるのは『ニア・ダーク』、少女の部屋の窓にシールドをしてあるのは同じく『ニア・ダーク』、床にこぼれた少年の血を少女が思わずなめたり、少女が血以外のものを口にして吐いてしまうのは『処女の生き血』、プールでの一連のシーンは『キャット・ピープル』、CGでしょうが、吸血鬼の本性を現した少女の妙にぎくしゃくした動きはレイ・ハリーハウゼン、可愛らしい少女の容貌が一変して、声まで変わってしますのは『エクソシスト』、思いつくだけでこれだけありますから、細部にはもっとあるかもしれません。

しかし、最も感動的なのは、孤独な魂同士の触れ合い、善と悪、相手の実体を超越した愛の姿という物語そのものにあります。そして、永遠に続くものではないと知りながら、少女と共に生きることを決める少年の姿が感動的なのは、我々は、あらゆる愛がそうでないことを知っているからではないでしょうか。トランクの中の少女と旅する少年が、列車の中で、モールス信号でやり取りし合うラスト・シーンは、二人のつながりと距離を同時に表わしていて、余韻のあるエンディングです。

しかし、本作にしろ、『ゾンビ・ランド』にしろ、従来のホラー映画を土台にしながらも、ホラーそのものを中心に据えるのではなく、家族や愛を描く作品が近年見られるのも、これからのホラー映画の方向性が示されているようです。

S・キングが絶賛したというのも、無理からぬ、傑作だと思います。

評者

hacker

更新日時

2011年10月02日 15時08分

コメントの推薦

参考になる 2011-10-02
 
2021年12月04日 01時32
2021年12月04日 01時32
©ずばぴたテック