みんなで作る映画データベース
  1. トップ
  2. 映画一覧
  3. ドラマ
  4. 人生と生活
  5. トゥルー・グリット
  6. hackerのコメント

トゥルー・グリット/hackerのコメント

rating44.0000

トゥルー・グリットへのコメント

採点

rating4

推薦数

+2

コメント

ジェフ・ブリッジスが20歳の時、この役を将来演じることになるとは、夢想だにしなかったでしょうね。

レビュー

ジョン・ウェインがアカデミー主演男優賞を取った『勇気ある追跡』が公開されたのは、1969年ですから、ジェフ・ブリッジスは20歳でした。若い頃のジェフ・ブリッジスは、いかにも頼りなさ気な雰囲気で、若者らしい未熟さと純粋さを感じさせる存在でした。それが、ジョン・ウェインが演じた、この役を演じることになるとはねぇ〜。歳月の流れを感じると同時に、わが身を振り返ってみると(?)、感慨深いものがあります。

コーエン兄弟が惹かれたのは、この原作であって、当然映画『勇気ある追跡』ではないとのことですが、観る側は、どうしても意識してしまいます。しかし、原作は読んでいないので、コーエン兄弟の原作への執着ぶりはコメントできないのですが、私が思い出したのは、むしろ、クリント・イーストウッドの『許されざる者』でした。

『許されざる者』は、殺人という行為の重さが描かれた西部劇として、歴史的なものでしたが、殊に、遠距離からライフルで相手を狙うが、引き金を引く勇気が出ない、という描写が印象的でした。これに対し、本作では、同じように遠距離から相手を狙うという場面が、見せ場として2回出てきますし、それらの場面では、情け容赦なく相手を撃っています。おまけに、映画の題名が「真の勇者」というのは、どういうことでしょうかね。

更に、ラスト・シーンの、25年後に、自分を助けた保安官の墓の前に佇むヒロインの姿は、完全に『許されざる者』のそれとだぶります。まさか、『許されざる者』のアンチテーゼとして、コーエン兄弟がこの作品を撮ったのではないでしょう。ただ、考えてみれば、西部劇らしい西部劇というと、『許されざる者』が最後だったのかもしれませんし、その存在が無視できないぐらい、既に古典となっている、ということなのだろうと思います。

西部劇らしい、と言えば、馬への愛情が、しっかり表現された映画も久しぶりです。劇中で、馬を面白半分にいじめていた子供たちに対する、ジェフ・ブリッジス扮するルースターの怒りの表現がそれにあたりますが、その彼が、ヒロインの少女を助けるためには、馬を乗りつぶしてしまうのも、泣かせてくれます。

ところで、『勇気ある追跡』との最大の違いは、間違いなく、25年後の少女だったヒロインのショッキングな姿でしょう。パンフレットによると、これは原作通りの設定のようなのですが、自らの復讐の念が、多くの死者を出す結果に終わったことに対する、原作者がヒロインに与えた一種の罰なのでしょう。冒頭で引用される「天罰は必ず下される」という言葉を、ヒロインに対しても当てはめることによって、復讐という行為の虚しさはきっちり描き出しています。それが、単純な勧善懲悪物語にならない、不思議な余韻を残してくれるのでしょう。

コーエン兄弟は、やっぱり、くせ者です。

評者

hacker

更新日時

2011年04月12日 21時22分

コメントの推薦

素晴らしい洞察 2011-05-31
 
参考になる 2011-05-25
 
2021年12月08日 07時21
2021年12月08日 07時21
©ずばぴたテック