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縮みゆく人間/hackerのコメント

rating44.0000

縮みゆく人間へのコメント

採点

rating4

コメント

50年代アメリカSF映画の傑作の一つ。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

当時、放射能を浴びたせいで、巨大化する生物(タコ、蟻、芋虫等)の話は、山のように作られましたが、この映画は、全く逆の発想で、主人公がどんどん縮んでいく、という物語です。どんどん小さくなって、猫に食べられそうになったり、針を持って、蜘蛛と戦ったり、というアイデアが素晴らしく、特撮もかなり高いレベルのものですが、やはり、今や古典とも言えるリチャード・マシスンの原作のアイデアに負うところが大きいと思います。

リチャード・マシスンという作家は、短編小説では、実に怖い話を書くのですが、長編小説になると、この作品もそうですし、『アイ・アム・レジェンド』もそうなのですが、矮小な人間の存在とその一生の意義を考えさせられるテーマを打ち出してきて、不思議な読後感を与えてくれます。

人間の存在は、全宇宙レベルで見たら、実に小さなものだ、という思想というか考え方というのは、いつの世にもあるのでしょう。そのネガティブな表れ方は、小説だとヴァン・ダインの『僧正殺人事件』、映画だと『第三の男』のハリー・ライムを思い出しますが、ポジティブな表れ方となると、フェリーニの『道』で、大道芸人がジェルソミーナに言う「路傍の石ころだって、何かの役に立っているんだよ」という台詞を思い浮かべます。この映画も、ラストで主人公は、「どんなに小さくなっても、自分は生きていて、ゼロではない」という「悟り」を得て、未知のミクロの世界に飛び込んでいくのですが、そういう意味では後者に属する展開となっています。

ただ、広く解釈すると、この物語は人間に限らず、生き物全ての存在意義みたいなもの、どんなに小さくても、外見がどうであれ、生命の大切さに差はないことを語っている寓話だと言えそうです。映画の半ばで、主人公が見世物になっている小人たちと心を通わせる場面や、視点を変えると、巨大に見える蜘蛛の存在などが、それを象徴しているようですね。

SF映画なのですが、そういう側面の方が印象的な作品でした。

評者

hacker

更新日時

2009年03月16日 12時16分

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