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モンテ・ウォルシュ/hackerのコメント

rating44.0000

モンテ・ウォルシュへのコメント

採点

rating4

コメント

失われ行く西部と、時代に取り残された(山田宏一流に言うならば、または「遅れてきた」)男たち、というテーマを真正面から描いた、センチメンタルな西部劇。

レビュー

bこのテーマは、ペキンパーが繰り返し取り上げたものですし、有名な作品では、『明日に向かって撃て』のようなものがあります。これらの作品群の底流には、バイオレンスやユーモアの衣を着ているとは言え、何がしかのセンチメンタリズムがあるものですが、この『モンテ・ウォルシュ』は、その底流を、実に恥ずかし気もなく正面に出したものです。ですが、なかなか良いのですね、これが。

西部開拓時代も終わる頃が舞台で、主要登場人物は3人、初老の流れカウボーイの二人、モンテ・ウォルシュ(リバティ・バランスを演じたリー・マーヴィン)とチェット(『シェーン』の栄光ある殺し屋ジャック・パランス)、それに、若いカウボーイのショーティー(ミッチ・ライアン)です。これに、モンテ・ウォルシュの恋人役として、ジャンヌ・モローが花を添えています。

この3人は、モンテ・ウォルシュは自分の居場所がなくなりつつある時代と知りながら、生き方を変えられず、チェットはある未亡人と結婚して、カウボーイから足を洗って、商店の主人になり、ショーティーは「遅れてきた」アウトローへと転身していきます。

映画は、この3人の生き様=死に様を中心に描きながらも、モンテ・ウォルシュとのささやかな幸せを夢見て、空き缶に小金をためているジャンヌ・モローの存在がとても良いです。彼女は、史上最高のファム・ファタール女優なのですが、こういういじらしい役をやっても、素晴らしく、要するに、素晴らしい女優なのです。その対極にあるような、無骨で不器用な役柄がぴったりのリー・マーヴィンの存在感も忘れられません。彼が、夜明けの西部の町を独りで歩く姿を延々と追っただけの移動撮影が、何とも言えない感動を与えてくれるのです。

映画全体は、ペシミスティックな雰囲気に包まれ、物語の結末もそうなのです。切れ味のある作品でもありませんし、センチメンタリズムがこれだけ全面に出ると、理性的にはどうかなと思う部分もあるのですが、なぜこのように胸にうったえるものがあるのでしょう。恐らくですが、主人公のように、実入りは良くなくても、天職と思える仕事をしていた人間が、ふと気付くと、自分の力の発揮できる場所が少なくなっているという状況は、普遍的なものだからなのでしょう。個人的には、映写技師という職業を連想してしまうからかもしれません。そういう意味からも、個人的な思い入れが強いのでしょう。

ところで、こういう地味な作品なので、もう忘れられた映画なのだろうと思っていたら、やはり気に入っていた人間はいたとみえて、2003年にTVムービーでリメイクされているのです。これは、少し嬉しいニュースでした。

評者

hacker

更新日時

2008年11月11日 08時43分

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2021年12月07日 20時46
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