みんなで作る映画データベース
  1. トップ
  2. 映画一覧
  3. ドラマ
  4. 人生と生活
  5. 王将一代
  6. hackerのコメント

王将一代/hackerのコメント

rating33.0000

王将一代へのコメント

採点

rating3

推薦数

+1

コメント

「阪田三吉を、将棋がヘタだとして軽んじる棋士が多い。いまどき阪田の将棋を勉強する棋士はいない。しかし、大天才なのである。どこが強いかといえば、終盤の粘着力が凄い。必負の将棋をもちこたえる力はたいしたもので、そうやって粘っていれば、十番に一局は拾い勝ちできる。」(『大山康晴の晩節』河口俊彦著より)

レビュー

実在した伝説の棋士、阪田三吉を描いた映画です。この映画で語られているのは、もちろんフィクションですが、基本的には事実に基づいて、作られているようです。

最初に阪東妻三郎主演で映画化された時は、阪田三吉の描き方をめぐって、遺族(本作中の木暮実千代と香川京子)に抗議されたというエピソードがあるそうですが、実際に相当の奇人であったことは事実のようで、ただ将棋だけは強かったのです。そういう意味では、間違いなく天才です。

そもそも、草履職人であった三吉が、将棋指しになろうと考えたのは、関根八段(後の名人)が、賭け将棋で得意になっている三吉を懲らしめてくれと頼まれ、名を明かさずに対戦し、彼にぼろ負けしたことがきっかけと言われています。三吉が、どの位強かったのかというのは、棋譜もろくに残っていない時代のことで、難しいのですが、昭和13年、69歳の時に名人戦八段リーグ(今のA級順位戦)に参加して、7勝8敗という、ほぼ指し分けの結果を残したことからも、若い時は、相当な強さであったろうことは、将棋のプロであった河口俊彦の次の文からも想像できます。

「棋士がいちばん勝てるとき、すなわちピークは二十五歳くらいである。(中略)ピークはだいたい三十歳くらいまで維持できるが、それからはほんのすこしずつだが、棋力が落ちはじめる。そして四十歳を過ぎるとガクンと落ちる。(中略)五十歳ともなれば、どんな棋士でも衰えがはっきり見てとれるようになる。」(『大山康晴の晩節』より)

色々なエピソードのある人ですが、『阪田三吉物語』を著した東公平によると、難しい同和問題を書けなかったのが、心残りだそうです。将来、この視点から、彼を取り上げる人は出てくるのでしょうか。

と、全く映画に触れないで、筆を費やしてしまいましたが、この時代の映画を観て、いつも感心するのは、白黒撮影の美しさとセットの見事さですね。これだけで、十分観る価値はあります。物語は、よく知っていますし、安心して観られます。

しかし、カトキチさんとこの映画の話をしていて、阪田三吉というと、『ドカベン』の通天閣打法の阪田三吉しか知らなかったのには、いささかショック...。おのれの年齢を感じてしまいました。

評者

hacker

更新日時

2008年10月13日 15時56分

コメントの推薦

参考になる 2008-10-18
 
2021年12月08日 03時38
2021年12月08日 03時38
©ずばぴたテック