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ママと娼婦/hacker2のコメント

rating55.0000

ママと娼婦へのコメント

採点

rating5

コメント

主演のジャン=ピエール・レオーが「映画史上最も美しい台本のひとつ」と評した作品。まったく同感です。

レビュー

監督ジャン・ユスターシュが自身をモデルにして、5月革命の挫折(劇中でサルトルを激しく非難する場面があります)から立ち直れず、年上の女性マリー(ベルナデット・ラフォン)と半ばヒモのように同棲している主人公アレクサンドル(ジャン=ピエール・レオー)が、ふと出あった若い女性ヴェロニカ(フランソワーズ・ルブラン)とマリーの間で揺れ動くダメ男を演じ、これにマリーと同棲する前に、やはり同棲していたジルベルト(イザベル・ヴェンガルテン)との最終的な別れが絡みます。題名は、マリーと、誰とでも寝ると言うヴェロニカを揶揄したものですが、「男にとって必要なのは恋人でも愛人でもなく、母親と娼婦である」という言葉がベースになっているようです。

女性たちには全員モデルがあるそうですが、マリーのモデルとなった女性カトリーヌ・ガルニエは、映画の中の描かれ方にショックを受け自殺したそうで、映画は彼女に捧げられています。

220分という長丁場ですが、人物の表情と台詞に集中した長廻しの撮り方が素晴らしいです。出演者が揃って語っているように、綿密に用意されたシナリオを一字一句まで監督の意図通りに再現しつつ演じることには大変なプレッシャーがあったそうですが、その自然さといい、特に後半にかけて一気に盛り上がる緊張感といい、ロング・ショットなどの旧来の映画の美学とは一線を画する人の顔のクローズアップの多用と長い台詞に70年代のみならず、20世紀の映画遺産の一つです。

同時に安価に映画を撮る方法の見本のような作品でもありますが、これだけのものを撮る知性を持った人間はそういないでしょう。ちなみに、ユスターシュがこれを撮った時は35歳でした。

また、主人公のダメ男ぶりや台詞の一部など、実は大変おかしい映画でもあるのですが、映画館ではほとんど笑い声があがらなかったのはちょっと不思議でした。

あと、女優陣では、上手い下手とは関係なく、間違いなくブレッソンの『白夜』(1971年)を観て、監督が出演を依頼したと思われるイザベル・ヴェンガルテン、クール・ビューティの代名詞のような美しさが印象的でした。

評者

hacker2

更新日時

2019年05月03日 07時41分

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2021年01月28日 17時41
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