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ラフマニノフ ある愛の調べ/ドンペリのコメント

rating33.0000

ラフマニノフ ある愛の調べへのコメント

採点

rating3

コメント

節目節目に出会った3人の女性が、彼の音楽人生に影響を与えたというのが主題のようだけれど・・・・?
本作は、基本はラフマニノフの実人生に沿ってアレンジを加えてあり、すべてがフィクションでないのは好感が持てた。

レビュー

ロシアからアメリカに亡命してきたラフマニノフがカーネギーホールで初のコンサートを開くシーンから始まる。なかなか良い感触のスタートだ。
アメリカに拠点を置いたラフマニノフを軸に、話はロシア時代に行きつ戻りつしていく。そのロシア時代は、アメリカで成功を収めた彼の原点となる話が、事実も盛り込まれながら描かれる。まだ少年であるラフマニノフのピアノの才能を見抜き育ててくれた恩師との決別、3人の女性との出会いと愛の形、交響曲第1番の失敗と挫折、アメリカへの亡命・・・などを描いていくわけである。その都度年代を表示してくれるので、きちんと見ていれば混乱はしない。


_山擴箸留撚茲両豺隋
まずは役者が、その音楽家本人に「見えてくる」ことが必須。エヴゲニー・ツィガノフ、これは完璧クリア。写真やフィルムで見るラフマニノフに顔が似ているのがお得だし、ラフマニノフの神経質そうなピリピリしたイメージも、エヴゲニー・ツィガノフのアプローチは良かったと思う。ラフマニノフに見えたぞ。その点は星よっつ。

音楽家の映画の場合、
当然その人の楽曲が作品中に流れることが必須だが、それ(楽曲)が物語の中でどのようなタイミングで効果的に使われるかも重要なポイントだ。ファンにとっては、沢山聴きたいのは山々だが、あまりブツギリではいい感じがしないのね・・笑。
本作、常にバックに流れる美しい旋律は映像のBGMとしては流石にうっとりするが、意外にも「コンサート場面で聴かせる」ことに力を入れていないのはやはり残念だわ。じっくり聴きたいのなら実際のコンサートやCDで聴けば良いのは百も承知だけれど、せめて人気のある交響曲2番やピアノ協奏曲2番(ちょこっとはありますが、ご体裁程度)あたり、もう少しだけじっくり見せ聴かせる時間をとってもよかったのではないでしょうかね〜。それが音楽家ラフマニノフの映画たる良さに繋がるのではないかしら〜と思ったりして・・・。特にピアノコンツェルト2番は、長い鬱状態にあった彼が精神療法を受けて立ち直った後に作曲、自身の演奏で成功し、まさにこの曲がラフマニノフの名声を世に残すきっかけになったわけですからね〜。

2山擴箸留撚茲両豺隋
事実をもとにアレンジしてくれて大いに結構。ただしフィクションであれ、どうであれ、本人の人生と作品が生み出されるいきさつ(特に本作は女性の愛も含まれる)を絡ませながら、映画としての感動に繋がらないと面白くないのだ。
本作の場合、タイトル「Lilacs=ライラックの花」の使われ方も、弱いな〜。肝心の彼の出会ったそれぞれタイプの違う3人の女性が、彼の作曲活動に与えた影響は、深いところまでは描かれてなく、上澄みをすくって流れていってしまったような気がする。96分で全てのエピソードをサラリとまとめたため仕方ないと思うが、結局のところ何に一番焦点を当てたかったのかが、うーん、わからん。なので和製タイトルの「ある愛の調べ」もピンとこないのね。この点に於いては星ふたつである。

以上の´↓を すべて満足させてくれたのが、最近では「エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜」だったわ〜。



それにしても、ピアノで頭角を現していたラフマニノフは作曲がしたくてしたくてたまらなく、「君はピアノ弾きとして一流になればいいのだ」と作曲に反対する教授に内緒で曲を書いたいた。最後には作曲への意志を貫くことで、恩師と決別するくだりがあるが、これを入れてくれたのはGOOD! あそこで彼が諦めていたら、今日私たちは彼の素晴らしい交響曲を聴くこともなかったのだな〜と、しみじみ思うのでした。


アメリカでのラフマ二ノフの初コンサートから彼をプロデュースしている人物が、スタインウェイ(世界的ピアノメーカー)なのですが、この人が冒頭から目立っていて、「スタインウェイ、スタインウェイ」と宣伝よろしく連発するので苦笑します。
ラフマニノフの弾くピアノに書いてあるロゴもいちいちスタインウェイの文字ははっきり出しますが、おかしなことに(ロシア時代だったか)蓋を開けたところに書いてあるピアノの他社製のロゴは、ぼやかしていたように見えた・・・いや明らかにぼやけていた。ピアノに興味のある人なら気が付くことで、何か気になるのよね。まるでラフマニノフ&スタインウェイの映画のようでしたよ・笑。ロシア時代にはスタインウェイではなく、ヨーロッパのピアノを使っていたはずだと思うのですが、それを出したくなかったのかな〜。
ラフマニノフはアメリカに渡ってから、スタインウェイピアノでコンサート活動をしていたようで、スタインウェイ氏とも親交が深かったと聞きますので、まあそんな事情なのでしょうかね。

この監督は、監督ではなく一人の素の人間として、ラフマニノフと彼の作品に惚れこんで年月を重ねてきた結果、どうしてもラフマニノフの映画を作りたかったのではないかと思うのだ。それは本作を見て感じられたこと。
特に音楽家、芸術家などの映画の場合、観ていれば「この監督は本人を愛して止まないんだな〜(Not同性愛)」と、スクリーンを通して伝わってくるものなの。スタインウェイを前面に出し過ぎるのも、もっとさり気なくやれば品が出たのにな、と思う。


まあ1000円で観たので、おまけしましょ。

評者

ドンペリ

更新日時

2008年05月24日 00時07分

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2021年12月07日 06時43
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