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つぐない/おれんかのコメント

rating44.3333

つぐないへのコメント

採点

rating4

推薦数

+1

コメント

静かな悲恋物語を見ていたはずが…最後の最後で息を飲んでしまいました。
そしてこれは哀しくもおそろしい話だと思うのですが…。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

多感な少女、ブライオニー。彼女は使用人でもある、若いハンサムなロビーに幼い恋心を抱いています。残念ながら、ロビーは同い年である彼女の姉セシリアと相思相愛。ブライオニーは彼にとっては愛する人の妹でしかありません。 姉と彼のやり取りを遠目に見てどきどきしている彼女はちょっと、おませな感受性が強いだけの女の子です。
ある晩事件が起きて、彼女はその犯人を見たと証言し、それがロビーであったというのです。
刑事に何度も、「彼だと思った」のか「彼を見た」のか確認され、彼を見たと断言してしまうブライオニー。家出した彼女のいとこたちを連れ戻したロビーは即逮捕されてしまいます。
ブライオニーはロビーを昔から知っています。そして姉がロビーと大人の恋愛関係を持つことが、ただショックで、ロビーに対して身勝手にも裏切られた気持ちもあったのでしょう。心情的にはとても理解できるのです。でも、間が悪すぎました。
彼女の証言はその後の戦争と共に皆の人生を狂わせます。
戦時中、彼女は何とか疎遠にされていた姉とロビーに詫び、自分の証言は間違いであったと証言すると誓うのですが…。

画面が一転して現代に。 老作家が自分の最後の小説について語り始めます。彼女は病気で先が短いのです。 これが成長して作家として成功し21本の小説を上梓したブライオニー。
それまでの話は彼女の最後の小説。そして自伝でもあるのです。彼女は告白します。姉もロビーも二度と巡り合うことなく戦時中に死んでしまった。彼女は彼らに詫びる機会もなかった。せめて、私の小説の中では二人を一緒にさせてやりたかったと。

こう言われてしまうと彼女の『創作』がどこからなのかも怪しく思えます。彼女のいい加減な証言で将来を絶たれたロビーと姉が悲痛なのは、言うまでもありません。でもそれだけじゃない。彼女が犯人を偽ったために、自分を暴行した相手と結婚した従妹の人生はどうなったのだろう。裕福で社会的地位のある男ではあったけど、幸せになれたとはとても思えません。
ブライオニーは独身を通したと思われます。彼女はモダンで素敵なフラットに住んでいますが、家族の気配はありません。 美しいけど寒々とした住まい。
皆を悲劇に陥れた罪深い彼女は皮肉にも生きて作家として成功しました。 
年老いた彼女が登場するのはほんの数分です。でもその数分が圧巻で、おそらく、小説を書くことで、自分の贖罪と孤独を繕ってきたであろう、静かな悲痛さに言葉を失ってしまうのでした。

評者

おれんか

更新日時

2011年09月29日 18時33分

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