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モーツァルトとクジラ/ドンペリのコメント

rating33.0000

モーツァルトとクジラへのコメント

採点

rating3

推薦数

+2

コメント

アスペルガー症候群という障害を持つ男女の懸命な愛の物語が優しく描かれている。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

自閉症の一種アスペルガー症候群の障害を持つ実在の夫婦がモデルであり、
その夫が原作者なのでした。

主人公ドナルドはアスペルガー症候群という障害を持つ若者だが
知的障害はなく、彼の場合数字への拘りが強く、優れた数学能力を持っている。
(本作の制作と脚本はレインマンの脚本を手がけたロナルド・バスでした)

原作者自身がその障害者であるためか、
この障害を持った人たちを、興味本位の目線で描かれていないので、
この手の作品にありがちな必要以上の過剰な演出がみられないため、
肩が凝らず、観客を追い込むことなく優しさに溢れた作品になっている。
アウトラインとしては やや個性的な男女の恋愛物語に見えなくもない。

ドナルドとイザベルは、互いに惹かれ合い、同棲を始めることになるが
行き違いが起こり 悩み苦しむ。二人は互いに理解し合おうと努力するが
実際には 解決するのは困難を極めることだったでありましょう。
その辺りを、もう少し突っ込んで描いて欲しいと利己的な希望を持ったが、
「不器用ながら愛を貫こうとする二人」を心棒に据え、
極力暗くならずに優しい映画にしたいという製作者の意図を慮ってみれば、
そこに静かな感動を得ることが出来る。

当然のことながら、ドナルドとイザベルの恋愛物語の形を借りて、
自閉症、この場合アスペルガー症候群について完璧にとは言わないまでも
観客が知ることが出来るようになっており、心憎い演出がとても効いている。
ジョシュが自分の部屋がすっかり片付いて変わっているのを見て驚き、
心が乱れてパニックになる姿をとてもリアルに演じていたと思うのだ・・・
このシーンはアスペルガー症候群の解りやすい症例の表現なのだなと理解した。


二人は、自分がアスペルガー症候群であることを理解しているだけに
苦しむこともある。
ドナルドが イザべルが自閉症であることを上司に悟られたくない素振りをする場面で
イザベルが傷つきながら言う『「何で隠そうとするの!?」』という言葉こそ、
本作の主題なのではないでしょうか。
これを乗り越えてこそ、二人で愛を育んでいけるのだから・・・。
でもこれは障害者に限らず、誰にでも言える愛することの基本であるのだ。
相手を堂々と100%認めてこそ、愛である。そんなことを言っているようだ。

このアスペルガー症候群に関して言えば、
私たちにほんの少しの認識と理解があるだけでも、彼らが生きやすいであろう
と、本作を見てつくづく思った。
同時に彼らが生きやすい環境に身をおけば、幸せな人生が送れるのであり
そのような社会が築かれなければならないと強く思うのだ。


原題のままの「モーツァルトとクジラ」という邦題にも興味があり
映画館で見たのですが、なるほどハロウィンね・・・(ご想像を!)



*原作の翻訳著書がNHK出版協会から出ているのですね。
「知的障害を持たない自閉症のひとつアスペルガー症候群の人たちは、
状況や場を読むことが困難なために、他者とのコミュニケーションを
とるのが苦手ですが、特定の分野で高い能力を示す場合があります。
いわゆる「普通」の枠におさまらない言動が周囲の理解を得られず、
社会で生きていくうえで人知れず苦労を強いられることもあります。」とある。

評者

ドンペリ

更新日時

2007年08月18日 01時45分

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