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見終ってからちょっと違和感が残ったけど、これは邦題のせいだと思う(ちなみに原題を直訳すると『他人の人生』とか『他人の生活』のようになる)。『白バラの祈り』同様、自分達の過去から逃げないドイツ人の態度に敬意を表したい。
でも、この『善き人のためのソナタ』をタイトルにしたい人の気持ちも良くわかる。短いけど結構良くできた、印象的な曲だからだ。ただし、この曲、1回しか演奏されない。しかも演奏するのが「劇作家」であるドライマン。彼の家にピアノはあるのだが、彼が演奏するのはこのときだけ。これをタイトルに持ってくるのはちょっと無理があるんじゃないだろうか。
確かにこの曲を盗聴マイクで聴いたヴィースラーは神妙な面持ちになるのだが、彼の心変わりの大きな原因は、党上層部の腐敗した姿を見たことにあるのだと思う。その姿は見ているこちら側も厭になるが、壁崩壊後に自分の部屋が盗聴されているとわかったドライマンがヴィースラーの存在に気付いてからの展開が救い。そうしてドライマンが出版した本のタイトルが『善き人のためのソナタ』。それを見付けたヴィースラーがその本を買い求めるラストシーン。二重の意味を持たせた最後のセリフは上手い。
2007年03月20日 21時24分
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2007-03-21 |
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