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薔薇の名前/ドンペリのコメント

rating33.5833

薔薇の名前へのコメント

採点

rating4

推薦数

+2

コメント

中世1327年、北イタリアの修道院で繰り広げられる殺人事件をイギリスから来た修道士(ショーンコネリー)が解明していくという
本筋ですが キリスト教が圧倒的な権力を握っていた時代のことですから 当時のキリスト教問題やその歴史に深い造詣があれば
理解度は違ったであろうことは見ていて歴然で、そういう意味で知的好奇心もくすぐってくれた作品です。

レビュー

イギリスからウィリアム(ショーンコネリー)修道士と見習い修道士アドソ(クリスチャンスレイター)は
会議に出席するためにベネディクト修道院に訪れるのですが
時を同じくして教会内で起こった殺人事件の解明に動き出すことになり、犯人を・・
と本筋は単純なものですが なかなかの作品です。

‘ジェームズボンドから脱皮したい’と強く望んでいたショーンコネリーは
渋く落着いたオジサマになって(努力したんだろうなぁ・・・)
この映画ではすっかり別人のショーンコネリーになっていて良かったな、と。
この作品がデビュー作の 当時16〜17才で若くてかわいいクリスチャンスレイターも
この独特の雰囲気の映画の中にうまく溶け込んでいて(この映画の中に入るの難しそうだもん)、
文字どおり体当たりの熱演(ある場面!見ればわかります)でした。
この二人の老・若の対比がまた物語の中で生きていて
ウィリアムがシャーロック・ホームズ、見習修道士のアドソが助手のワトソンというところでしょうか。



修道院という長い歴史の中で形成された重厚な空気は本物の様に伝わります。
そのどんよりした暗い迷宮の中で 奇異な形相の僧たちがおどろどろしい雰囲気を生み出し、
閉鎖的な中にホモセクシュアルの匂いも漂い、
それらはミステリアスな世界を強調するのに充分なほどです。
殺人事件が起こるに至る背景、対談の内容、火あぶりの刑、などなど様々に
当時(中世)の宗教にまつわる歴史背景に知識があれば
‘もっと面白く’観られたであろうと思うと少々悔しい思い・・・。


当時 修道院の書庫はまさに「知識の宝庫」だったわけですが
印刷技術もないので ‘写字室’で僧たちが文書などを写経ならぬ手書きで書き写していたのですね。
そしてその修道院には ‘入ることが許されない秘密の書庫’もあったのでしたが
ウィリアムはその書庫を見つけて入ることに成功。その秘密を知ることに・・・。
これらが殺人事件のヒントになることは言うまでもありません。

ひとつの思想で統一された中ではソレに反するものは「異端」とされる。
殺人事件はこの「異端」に原因を求めるところとなるわけですが
宗教、政治理念に基づいて考えられ得る「異端」とは
歴史を紐解いていくだけでなく今日でも今尚 実に深い問題だと考えさせられます。
それにしても「笑うことは許されない」となると 私はとうに火あぶりか・・・。


徹底して中世を醸し出すことに集中した撮影(光具合?)と、美術、衣装、メイクなども素晴らしく、
監督の思い入れが伝わる力作だと思っているんですけど・・・
何よりこの映画の‘独特な魅力’は‘見て感じるしかない’かな〜。



*私はこの映画を見た後に、ウンベルト・エーコの原作を買い求めたのですが
一気に読むにはエネルギー(時間も)がいそうと勝手に判断、
情けないことに未だに本箱にその上下巻は燦然と輝いてジッとおわします。
お笑いくださいますな、その割りにビデオやBSなどでこの作品、何回も見ています。
このサイトにお邪魔するようになったこともあり
原作を読んでさらに深い洞察が出来ればと思いながらコメントを控えていたのですが
読破はいつになることやら・・・なので 思い切って書くことにしました。お恥ずかしい限り。
読みたいものが沢山あって追いつきませんわ・・・今は昨年春に買った『ダ・ヴィンチ・コード』を
思ったより映画化が早いので 慌てて読み出し下巻に入りました!ふう。

評者

ドンペリ

更新日時

2006年01月10日 17時44分

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