みんなで作る映画データベース
  1. トップ
  2. 映画一覧
  3. 戦争
  4. 歴史上の戦争
  5. パリの灯は遠く
  6. hacker2のコメント

パリの灯は遠く/hacker2のコメント

rating44.0000

パリの灯は遠くへのコメント

採点

rating4

コメント

ドッペルゲンガーを扱った有名な映画の一つです。不条理映画という分類がもしあるなら、その点でも、ピッタリです。

レビュー

わけの分からない邦題がついていますが、原題は Monsieur Klein 「クライン氏(仏語読みならクラン氏)」です。

これは、アラン・ドロン演じる美術商ロベール・クラインのことで、舞台は第二次大戦中のドイツ占領下のパリです。パリ脱出をしようとするユダヤ人たちの足元を見て、美術品を安値で買いたたくようなあくどい商売をしていた彼ですが、ある朝、ユダヤ人にしか配達されないはずの「ユダヤ通信」という新聞が自宅のアパルトマンに届きます。新聞社に何かの間違いだろうと名簿の確認に訪ねたクラインは、名簿が警察に徴収されていることを知り、警察に赴きますが、こういう行動は、かえって警察の疑念を招くことになります。

どうやら、同姓同名で、年齢も姿格好も自分によく似たユダヤ人がいることは確かようなので、クラインは必死に、その存在を追い求めますが、手がかりがつかめたと思ったら、相手はそれをすり抜けていくのでした。

赤狩りでハリウッドを追われたジョセフ・ロージーが、フランスで撮った映画です。彼の映画を観るのは久しぶりですが、凝った構図や、あまりカットを切らない撮り方は、やはり印象的です。また、このドッペルゲッカーの正体や、クラインとの関係については、最後まで何もはっきりしないまま終わるのですが、なぜか製作者に主役であるアラン・ドロンが名を連ねていることによって、典型的な「成り上がり」であるドロンが、自分の本当の姿を探し求める映画のようにも見えてしまうのは興味深いことです。同時に、捨ててきた過去が、スターとなった自分の地位をいつ脅かすか分からないという不安を描いたようにも受け取れて、そこも興味深いところです。

全体の印象をひと言で表すなら、ドッペルゲンガーの正体は何なのかというサスペンスに満ちた、ちょっと不思議な映画というところです。また、何回でも再見に耐えるだろうという作品でもあります。

評者

hacker2

更新日時

2021年05月07日 08時37分

コメントの推薦

データがありません
2021年12月07日 06時51
2021年12月07日 06時51
©ずばぴたテック