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カンザス・シティ/カトキチのコメント

rating44.0000

カンザス・シティへのコメント

採点

rating4

推薦数

+1

コメント

ジャズと誘拐とあっと驚く結末。

レビュー

『ザ・プレイヤー』、『プレタポルテ』、『ショート・カッツ』と、
第2のピークを迎えてから立て続けに傑作を送り込んで来たアルトマンが、
“ジャズ”と“誘拐”という決して混じり合わないものを群像劇というつなぎで練り込み、
ジェニファージェーソンリーという隠し味を加え、あっ!と驚く結末で焼き上げた、異色のドラマ。

大恐慌の時代を再現するために細部まで気を使った美術は完璧、
緩やかなカメラワークでダイナミックに映し出される34年のカンザスシティはとてもリアル。
黒人のギャングに誘拐された夫を助け出すために大統領候補の妻を誘拐する主人公という設定がおもしろく。
2つの誘拐が絡んでいく展開は、派手さはないものの、観ていて映画的な興奮が詰まっている。
この作品、誘拐がメインのわりに、誘拐自体にサスペンス性はない。
もちろんアルトマンが描く誘拐だから、そこにあるのは人間である。
登場人物が抱える悩みや心の闇などがクローズアップされ、そこにドラマが隠されてるのはアルトマン流。
そしてあの唐突なラスト!『プレタポルテ』や『ショート・カッツ』でも見せたあの空いた口が塞がらないラスト!
映画自体の出来は若干緩いがあのラストが強烈なスパイスとなり、映画自体を締めている。

映画事態は緩いと書いたが、それは音楽の影響もある。全編ジャズによって彩られるこの作品だが、
なんと音楽の演奏シーンがそのまま劇中の音楽になるのだ。
メインであるはずの誘拐事件。それを崩しかねないジャズの演奏シーン。
この2つのアンバランスな物が上手い具合に交わり独特の空気感を出している。
大恐慌の時代を演出するのにジャズというアイテムを使ったのはさすがアルトマンだと思うが、
雰囲気を楽しむという意味では大正解。映画には緊迫感は無いが、映画を観ている楽しさを感じる事が出来る。
私はこの作品でジャズとは何かを学んだ。それくらい劇中にジャズが流れるのである。

そしてなんと言ってもジェニファージェーソンリーだ。
あの役作りはなんだろう。すごい、顔の作り方、声の出し方、口元、すべてが強烈。
ハッキリ言って唯一無二の演技だ。マンガから抜け出してきた様なあのキャラ作りは素晴らしい。
派手なキャストではないが、芸達者を集めた事で、リアリティがかなりある作品となった。
ハリーベラフォンテの演技は一級品。完全にギャングのボスである。もしかしたら経験者なのかも(笑)

アルトマンの中ではそこまで人気がある方ではないと思うが、私はかなり好きだ。
この雰囲気、空気感、そしてあっと驚く結末…アルトマンの手腕に酔いしれよう。

評者

カトキチ

更新日時

2006年11月23日 07時42分

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