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火垂るの墓/葉直のコメント

rating33.7500

火垂るの墓へのコメント

採点

rating5

推薦数

+2

コメント

ぷくぷくの腕(太いという意味ではなく)、まあるいポッペ、発する言葉の愛おしさ。
何度も何度も思わず抱きしめたくなった節子ちゃんの、声を担当した声優さんの姿を、私は絶対に知りたくないょ。
その方がどんなに素敵な人だとしても。
〔TV×2〕

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

不自然なほど、がらんとした絵があるのね…。
例えば、校庭の鉄棒の前で、妹が「お母ちゃんのところへ行きたい…」とベソをかく場面には兄妹2人だけ、
例えば、瓦礫をかきわけて瓶(かめ)の中から梅干やドロップを持ち出す場面には兄1人だけ、
そんなときはきっと、周りに沢山の人がいて混乱していたでしょうに。

美し過ぎる兄弟愛。
妹がどんなに泣いてもぐずっても、兄はどこまでも優しい。1度や2度、声を荒げても不思議ではないのにね。
そして、小さな妹は、あまりにも清らかで可愛らしい。

けれど、

ラストショット、のちの兄の背中が見えたとき、「あぁ、そうだった!」
これは思い出だから…記憶だから…
だから、自分たちしか存在していないときがあるのだ…
だから、これほどに美しく愛おしいのだ…
(がらんとした場面も美し過ぎる兄弟愛も、アニメだからこそ実写より自然に描けるのであって、
そこをきちんと仕事したスタッフに、心からの賞賛を伝えたい。
また、被爆した母親に巻かれた包帯の血の色に、赤ではなくオレンジ色を使っているのが印象的です。
色々な意味でソフトな表現の作品ですが、それでいて戦争の残酷さを観客の心に焼きつけるとは、
やはり賞賛せずにいられません。)

兄が居る、緩やかにカーブを描く丘は、妹を見送った丘なのでしょうか?
私たちの目には、兄の背中の向こうに、復興して戦争を忘れたかのような夜の街がキラキラと見える。
でもきっと、彼はそんなものを見てはいない。
「あの時、おばさんの家を出なかったら…」、「あの時、おばさんの家に戻っていたなら…」、
「僕が、もう少し大人だったなら…」。ベンチに座って彼が見ているのは遠い過去。
いっそ、もっと子供であれば違ったかも知れない。けれど、兄は14才だった。
皮肉にも、少しばかり大人の行動がとれるようになる年齢。なのにまだまだ世間知らずの年頃。
彼を責めるのは酷というもの。

けれど、こうして、彼は戦後何十年を経とうとも自分を責め続け、その思いを墓までもっていくに違いない。
悪いのは彼ではないのに。
戦争はどこまで人生を踏みにじるのでしょうね…?戦後とは、どこまでを言うのでしょうね…?



〜人は時代を選んで生まれてくることは出来ない〜

評者

葉直

更新日時

2006年08月16日 01時00分

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