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残虐性を避け、政治色も濃くなく、「ポールの物語」であるところが良い。
渋谷シアターNで鑑賞。
映画の作りとしては少々雑な感じ、もう少し脚本が・・・という思いが過ぎったりしますが、
ですが、この映画には芸術性を求めるのではなく
ホテルの支配人であるたった独りの男がとった行動を追う事で
背景にある様々な問題を知り、アフリカ全体の問題をも改めて考えさせられるきっかけになる、
ということでいいのだと思えます。
ホテル支配人という、アフリカンの中では明らかに勝ち組に入っているポール(彼はフツ族)が
家族(妻はツチ族)を守るためにホテルに呼び寄せ その後トラックで避難させるとき、
救いを求めてホテルに避難してきた多くの人達を振り返って
「彼らを見捨てることはできない」と自分は戻る場面がこの映画の全てでありましょう。
目を覆うほどの激しい殺戮の場面はないけれど
道端に多数の死体が転がっているシーンがあります。
異民族間の闘争に端を発し、100万人も殺された事実を知れば
「勝手におやりよ」と見放すことが どれほど酷いことか容易に想像がつくというものです。
主人公のポールを描くのに
彼が必要以上に格好よくならないように 抑えた演出、抑えた演技が良かったように思います。
ドン・チードルは肩に力が入っていなく自然さが感じられ好演です。
私は彼が‘クサイ芝居’をしていたら、しらけていたと思うのであります。彼、いいじゃないですか〜。
流れるアフリカンミュージックがいいです。
彼らの声と土臭いメロディーは魂を揺さぶります。
ごらんになる方は ラスト『Million Voices』の曲までしっかり聞きましょう。
「アメリカは合衆国なのに、イギリスは連合王国なのに、どうしてアフリカはアフリカ連合王国にならないの・・」。
*ジャン・レノの登場には驚きました。彼の場面だけ浮いてしまい他の映画に見えてしまう。
このような映画はその人の存在だけで目立ってしまう人は使わないほうがよろしい(笑)。
その点ニック・ノルティとホアキン・フェニックスは画面の中にしっかり溶け込んでいてGOOD!
特に、現地に取材に来ているカメラマン役のホアキン・フェニックスが出番は少なくも非常に良い。
P.S.
民主党の元O代表が秘書らしき若い青年といらしてました。
お二人とも涙を拭っていらしたように見受けられた・・私の前のお席でしたので感じ取れたことです。
2006年04月28日 12時39分
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2006-04-29 |
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素晴らしい洞察 |
2006-04-28 |