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追憶/hacker2のコメント

rating44.6667

追憶へのコメント

採点

rating5

コメント

ドンペリさんが言われるように、「大人」にならないと、この映画の良さは分からないのだろうと思います。

レビュー

初見は日本公開時、面白いことは面白かったけど、すごく感心したというわけではありません。今回、久しぶりに再見しましたが、二十代前半で、この映画で描かれる男女の恋愛を理解するなど、とても無理だったと感じ入りました。

物語は、第二次大戦中の大学生活から始まって、ハリウッド・テンに代表される赤狩り時代、更には原水爆実験が盛んだった1950年代半ばまでに至る、まったく違う精神世界で生きるケイティ・モロスキー(バーバラ・ストライザンド)とハベル・ガーディナー(ロバート・レッドフォード)の十数年の恋愛を描いたものです。

ケイティは、あからさまには語っていませんが、学生時代は共産党員であり、貧しいユダヤ系の特徴ある顔立ちの闘士であったのに対し、ハベルはスポーツ万能で文才もある美男子で、人生をエンジョイするのを目的とすることに疑念を抱いていない青年として登場します。ケイティはあからさまにハベルに惚れているのですが、彼のノンポリぶりが嫌で、かつモテ男だった彼に積極的に近づくのを躊躇う様、そしてへベルもケイティを憎からず思っていても、やはり一歩踏み出せない二人の学生時代の姿を描くことから、物語は始まります。

そのまま何事もなく社会に出た二人は、ある晩偶然再会し、酔っぱらってほとんど意識もないハベルを、自分のアパートに泊めたことから、二人の関係は始まります。しかし、政治や思想をめぐる考え方の相違は、折につけ二人の関係を傷つけ、ケイティが妊娠し、作家としてデビューしたハベルがハリウッドで脚本を書く仕事をしていた時に巻き込まれた赤狩り騒動の渦中で、決定的な破局を迎えます。そして、娘の誕生を見届けた後、二人は別れるのでした。

それから数年後、ニューヨークで原水爆反対の街頭活動に駆けつけようとしたケイティは、再婚した相手を連れているハベルと出会います。そして、お互いの近況(ケイティも再婚してコーエン夫人となったこと、つまり相手はユダヤ人であること)について言葉を交わした後、初めて関係を持った時と同じように、ケイティはハベルの前髪を直してからハグをするのです。おそらく、彼らの生涯最後のハグを。

この映画は、とにかくアーサー・ローレンツの脚本が素晴らしい!英文の Wikipedia を調べると、ユダヤ人である彼の実体験はケイティの姿にかなり反映されているようです。活躍の中心はブロードウェイの演劇・ミュージカルの世界だったようでした。『悲しみよ、こんにちは』や『ロープ』の脚本作りに参画したとはいえ、本作でも分かりますが、ハリウッドの様々な「お決まり」にはウンザリしていたようですが、この映画に関しては、かなり自由に脚本を書けたのではないかと推測します。

ただ、映画として見た場合、ある意味でかなり演劇的な脚本なのですが、この台詞とこの二人の主演がいれば、そんなことはどうでも良いです。特に、ストライザンドの代表作であることは間違いないでしょう。彼女が歌う主題曲も、今やスタンド―ドとして知られていますが、「同じことを繰り返すのなら、私たちはまたやるかしら、あなたはまたやるかしら」という歌詞が切ないです。 

この映画を観るなら、中年過ぎてからの鑑賞を、お勧めします。

評者

hacker2

更新日時

2021年02月06日 09時25分

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2021年12月08日 07時17
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