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切なく哀しい松本清張の原作をかくも美しい映画に。
この映画、田中裕子を見るに尽きる映画と言っても過言ではありません。
決して美人ではないのに「とにかく美しい」のです。
このレビューは物語の核心部分が明かされています。
娼婦らしいあの着物の着方からしていい。
彼女から漂う独特の妖艶な色香は 他の女優さんには望めませんね。
女の私が見ても「なんて美しいの!」と溜息でした。
申し訳ないけれど「大谷直子の演ずる天城越え」は比になりません。
(大谷さんごめんなさい。)
少年のあまりにも切ない犯行動機に心が痛みます。
何十年が経ち時効も過ぎ、当時の刑事が彼に会いにきます。
「現場に残された足の大きさは少年のものだったということに
気が付かなかったんです・・・」と言う部分、まさに清張節、切ない。
事件当時、状況証拠からハナ(田中裕子)に犯人の疑いがかかり
激しい取調べに合います。
ハナが「厠に行かしておくれよ(確かこんなせりふだったか)」と
何度もお願いするのに、刑事は無視し、
彼女は耐え切れずその場で失禁してしまうシーンは、ショッキングで
今でも忘れないのです。その時の田中裕子の演技もあまりにも見事でした。
20年後の今もはっきり覚えているのですから。
原作も読んでください。活字も・・・哀しいですよ。
2005年10月14日 01時36分
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2005-10-16 |
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素晴らしい洞察 |
2005-10-14 |