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残菊物語/ドンペリのコメント

rating44.6000

残菊物語へのコメント

採点

rating5

推薦数

+1

コメント

お見事!  芸術の域に達している。
日本の映画界って、これほど素晴らしかったのだと、またもや思い知らされた一作だ。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

BSでやっていたので録画しておき、夜中に一人でじっくり見たら・・・・・・・・・・泣けて。


隅々までのこだわりで作りこまれたどの場面も あまりに美しく緻密なので、鑑賞中に、これは映画だったっけ?と一瞬不思議な気持ちが過ぎる・・・何と言えばよいだろう、映画を見ている気がしないのだ。
監督のリアリズムの追求に裏打ちされた見事なまでの映像美は、見る者をひたすら圧倒する芸術作品と言い切れる。
言葉も聞き取りにくいし、映像も古くて決して良いとは言えないのに、本作から放たれる極上の技に、感動するしかない。


始めのうちは、花柳章太郎が(菊之助の歳を思えば)やや老けていやしないかい?ということと、台詞(巧いとは言えず)と演技が気になっていた。特に台詞は、周りの役者が、使用人に至るまで皆巧いのでそれが目立つのだ。
だが、花柳の不器用そうな台詞と演技は、五代目菊五郎の跡取り養子としてチヤホヤ甘やかされて育ったぼんぼん役としては、これでいいのではないかと思えてくるから不思議だ。もはや巧い下手ではなく、流れの中で総合的に納得させられてしまっていた。これこそが‘作品の持つ力’なのではないだろうか。


歌舞伎役者の跡取り菊之助と子守のお徳。二人には当然ながら身分の違いという壁がある。
なんとしてでも 菊之助を一人前の役者にさせるために尽くし抜くお徳。そして一時は落ちぶれながらも芸を磨き、見事復活し、花開く菊之助。これは世に数多ある恰好のネタであろう。内助の功、糟糠の妻という言葉にあるように、その美学は脈々とあるのだから・・・。
骨身を削って男に尽くす女とそれに甘んじる男、という単純なスタイルは、本音を言えばあまり好きではない。なのになのに、ラストは涙なくしては見られません。
菊之助が一人前の役者になった姿こそ、彼女自身の投影であり、菊之助はお徳自身であり、二人で一人だったのだ。なので、お徳は身体こそ壊してしまうが、一方的に犠牲になったわけではなく、見事やってのけたのだ。そして晴れて夫婦になれたのだ・・・。
これが泣かずにいられますかい。



☆蛇足
花柳章太郎は、今の勘三郎にそっくりでした。
また、福助役の一際目立つ美男は高田浩吉でした。美しかったんですね〜(って若い人は高田浩吉と言ってもわからないだろうな〜「誰?それ」と言われそう)。

評者

ドンペリ

更新日時

2009年03月04日 02時08分

コメントの推薦

参考になる これは、本当に傑作ですよね。ただただ美しいです。 2009-03-04
hacker
2021年12月06日 04時53
2021年12月06日 04時53
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