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深く静かに潜航せよ/hackerのコメント

rating44.0000

深く静かに潜航せよへのコメント

採点

rating4

コメント

潜水艦映画は面白いものが多いですね。

レビュー

ロバート・ワイズ監督は、言うまでもなく、『ウエスト・サイド物語』(1961年)や『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)が有名ですが、本領は本作のようなサスペンスフルな分野にあると思っていて、特にフランケンシュタインの怪物役で有名なボリス・カーロフが主演した『死体を売る男』(1945年)や、シャーリー・ジャクソン原作の『たたり』(1963年)などは忘れ難い作品です。一方で、やむを得なかったのでしょうが、オーソン・ウェルズ監督の『偉大なるアンバーソン家』(1942年)の改悪に手を貸したという汚名も残っていて、個人的にはやや複雑な感情を持っています。黒澤明の『用心棒』(1961年)を盗作した『荒野の用心棒』(1964年)の監督セルジオ・レオーネに対する感情と似たところがあります。

さて、太平洋戦争を舞台にした本作は、駆逐艦秋風に自分の潜水艦を撃沈されたリチャードソン中佐(クラーク・ゲイブル)が、艦長が重傷を負って帰港した潜水艦ナーカの指揮をとって、秋風に復讐しようとする物語です。中佐は、当然自分が艦長になると思っていたブラッドソー(バート・ランカスター)や、意図がよく分からない猛訓練を行う乗組員から反発を喰らいますが、意に介せず、秋風が輸送船の護衛についている豊後水道へと進むのでした。

こう書くと『眼下の敵』(1957年)における、米駆逐艦船長(ロバート・ミッチャム)とUボート船長(クルト・ユンゲルス)の死闘を思い浮かべるかもしれませんが、本作での焦点は、ナーカ号内での人間模様です。もちろん、駆逐艦と潜水艦の手に汗握る戦闘はサスペンスたっぷりで、ロバート・ワイズ監督の最も得意とするところでしょうが、より印象的なのは、復讐の念に燃えるリチャードソンと正論を吐くブラッドソーのやり取りや、乗組員たちの描き方で、『白鯨』の世界を連想させます。それと、生活感あふれる潜水艦内の描写も魅力です。

また、「秋風」と言う名前の駆逐艦は実在してましたが、日本近海で着任していたことはほとんどなくて、もっぱら最前線にいました。ただ、なぜこの名前にしたかですが、1943年8月にこの駆逐艦の船上で婦女子を含む60名以上の一般人が日本軍の命令で虐殺された事件があり、この名前はアメリカでは悪名がとどろいていたためでしょう。

いずれにしろ、潜水艦映画がお好きな方は、お見逃しなく。

評者

hacker

更新日時

2016年10月23日 10時58分

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