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地獄門/◆◇◆おすすめ◆◇◆のコメント

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カンヌでグランプリ獲った衣笠貞之助の『地獄門』、どんな映画かと言うと、舞台は平安朝末期、時の権力者で

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

カンヌでグランプリ獲った衣笠貞之助の『地獄門』、どんな映画かと言うと、舞台は平安朝末期、時の権力者であった平清盛の絶対的な力にも陰りが見え始め、反乱が起こり始めていた時代の京都。

主人公は、平清盛に仕える武士。清盛に対する反乱が起こった際には、彼もまた反乱に加わるよう勧められるが、主君を裏切ることはできないと言って断る。そんな彼が、反乱のさなか、家が焼かれ人が殺されるドタバタ騒ぎの中で、ある美しい女と出会う。女は人妻で、武士から「夫と別れて結婚してくれ」と言われるが、主人を裏切ることはできないと言って断る。

諦めきれない武士は、女を刀で脅してうんと言わせ、夫を殺す計画を立てて女もそれに協力させるが、女はそれに従うようなふりをして武士をだまし、夫を助けるために命を犠牲にして自ら死ぬ。武士は自分のやったことを知ると、ちょんまげを切り落として武士をやめるのだが、それは、武士としての死を自ら選んだことに等しかった。

反乱の際には主君を裏切らなかった彼も、このようにして武士としての死を自ら選んだことで主君を失望させただろうし、それはまた別の意味での裏切り、すなわち気持ちを裏切ったと言う意味での裏切りには違いなかった。これと同じことが女にも言える。彼女は主人を裏切らなかったが、夫の「脅されていたのなら、なぜ相談してくれなかったのだ」の言葉が示す通り、自ら死を選んだことで夫を失望させ、その気持ちを裏切ってしまっているのだ。

ちなみに、もし女が本当の意味で夫を裏切っていたらどうなっていたかと言うと、人妻を奪うために人殺しをした武士は当然のことながら清盛の咎めを受けたであろうし、そうなったとしても女を手放すはずのない武士は当然の成り行きとして清盛に逆らい、結果として本当の意味で主君を裏切ることになっていたであろう。夫への裏切りを女に強要することが、清盛に対する武士自らの裏切りをも、自らに強要するかのような形になってしまう所が、この映画の良くできた点なのだ。

更新日時

2006年09月02日 02時24分

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