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マイ・フェア・レディ/hackerのコメント

rating44.1111

マイ・フェア・レディへのコメント

採点

rating4

推薦数

+1

コメント

オードリーのファンには申し訳ありませんが、彼女より舞台を務めたジュリー・アンドリュースの方が適役だったと思います。ヘプバーンだとヒギンズ教授に拾われる前もきれいなんですよねぇ。汚い言葉を発しても、不自然な、無理をしているような印象を受けてしまいます。当時のジュリー・アンドリュースなら、下層階級の女性が上流階級のレディーに化けるという、この毒々しいドラマによりマッチしていたような気がします。

レビュー

『クロコダイル・ダンディー』以来、[ei]という発音が[ai]になるというのも随分知れ渡ってきたと思いますが、挿入歌の「The rain in Spain mainly stays in a plain」は、ですから、「ザラインインスパインマインリースタイズインアプライン」となるわけで、この矯正は大変なのですね。江戸弁の「ひ」と「し」の区別より難しいのではないでしょうか。

私事ながら、ロンドンで働いていたことがあるのですが、その時英人の人事部長によく言われたのは、お前の英語は分かりにくいとか、とにかく話す言語についてケチを付けるのは禁物だというものです。それは言語が階級や出身地と直結しているからで、別のロンドン南部の英人が、誇張はあるとは思いますが、テームズ河の南出身の相手なら、少し相手の会話を聞いただけで、その人間の生まれた場所を半径1キロぐらいの誤差で特定できる、と言っていたのも印象的でした。実は、この映画の中で、ヒギンズ教授(レックス・ハリソン)が、ほぼ同じことを言っているのですね。

発音だけでなく、単語の選び方、文章の作り方にいたるまで差があるようで、日本人には分かりにくいのですが、「I don't know」「I have no idea」「I don't have any idea」全て微妙に違うようです。

そういう背景を念頭において観ると、この作品は結構えげつない話だと思います。何せ、階級闘争のミニ版のような物語なのですから....。特にイライザのお父さんの存在が面白いですね。『運が良けりゃ』の、怠け者賛美の歌詞など、実に面白いですし、ヒギンズ教授のおかげで、金に不自由しなくなったら、働かない親戚が50人も現れた上に、一緒に暮らしていた女と結婚せざるをえなくなって、飲み仲間にかつがれて、棺桶に横たわった姿で、結婚式をあげる教会に運ばれて行く様など、傑作です。

ヒギンズ教授にしろ、男尊女卑の権化のような歌を歌いますし、まともな英語がしゃべれるようになり、レディーの成りをしたイライザを、昔の仲間は誰も気付かないなど、階級間や男女間や外見の差別に対する、痛烈な皮肉に満ちています。ただし、オードリーがイライザ役なので、良くも悪くも、そういう毒が薄められているのも、事実でしょう。

それと、英語の会話の妙という意味では、聞いていて、これほどイギリス流の皮肉の言い方が面白い作品も珍しいです。おそらく、原作のバーナード・ショーの力によるものが大きいのでしょうが、シナリオを読んだら、相当面白そうです。

注:このレビューは、元々は2005年6月に書いたものですが、TVで再見したので、それに加筆しました。

評者

hacker

更新日時

2011年11月21日 12時35分

コメントの推薦

参考になる 2005-06-20
 
2021年12月07日 05時55
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