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続・男はつらいよ/hackerのコメント

rating44.0000

続・男はつらいよへのコメント

採点

rating4

推薦数

+1

コメント

シリーズ第2作である、この作品は、マドンナへの恋、彼女の父親で小学校時代の先生との師弟愛、長谷川坤の「瞼の母」を下敷きにした生き別れになっている寅さんの実の母親探し、という3本のモチーフを軸に展開されます。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

寅さんが川沿いで洗濯(だったと思いますが)をしている、見るからに品のよさそうなおばあさんにむかって、「もしや、あなたさまはお菊さんとおっしゃいませんか」と尋ねるところから、映画は始まります。「30年前に、東京は葛飾柴又で寅次郎という玉のような男の子を生みおとしましたね」と言うと、ハッと動揺する相手。「おっかさん!」と思わず呼びかけると、すうーと相手が遠くなり、安宿の寝床で「アーア、夢だったか」と目覚める寅次郎。このシリーズでこの後何度も繰り返された夢によるオープニングです。柴又に舞戻った寅次郎は、小学校時代の教師、坪内先生(東野英治郎)と偶然再会し、その娘(佐藤オリエ)に、例によって(そうは言っても、シリーズ第2作ですから2回目なのですが)一目ぼれします。ところが、ふとしたことから無銭飲食をして、警察沙汰となった寅次郎は、柴又に居づらくなって、また旅に出ます。
京都旅行をしていた坪内先生とその娘は偶然寅次郎と会い、京都にいる訳を聞くと、寅さんは、生き別れになっている母親が京都のグランドホテルという所にいると人づてに聞いたからだと答えます。会いに行く勇気がないと言う寅さんに、相手が死んでしまったら後悔するぞと坪内先生は諭し、先生の娘と一緒に会いに行くことになります。
ところが行ってみると、グランドホテルとは名ばかりで、けばけばしい連れ込み宿です。行きがかり上、二人は部屋を取ってみますと、いかにもやさしそうで品の良さそうな女中が働いています。寅さんが、冒頭の科白、「もしや、あなたさまはお菊さんとおっしゃいませんか」と尋ねてみると、その女中をあごでこき使っていた女主人(ミヤコ蝶々)に、「グランドホテルのお菊はわいやが、なんぞ用か」と切り替えされて、愕然とします。抱いていたイメージとのあまりの落差と母親の冷たい応対にがっかりして、寅さんはホテルを飛び出します。
京都から帰ってきた寅さんを迎える寅屋の面々は、「おかあさん」とか「母親」とかいう言葉を使わないようにしようと取り決めますが、言葉も出ないような寅さんの落胆振りを眼のあたりにして動揺したのか、何とか場をもたせようとして色々な話をすると、なぜかいつもだれかの母親の話になってしまいますし、話題を変えようとしてテレビをつけてみると、ハナマルキ味噌の「おかあさーん」というCMが映るという抱腹絶倒の場面が展開されることとなります。
そんなある日、体調をくずした坪内先生から呼び出された寅さん、何事かと行ってみると、一言「うなぎが食べたい」。あきれた寅さんは「そんなの、出前頼みゃいいだろう」と言いますが、「いや、天然のナチュラルな江戸川のうなぎが食べたい」とのたっての頼みを断るわけにいかなくて、江戸川に釣り糸をたれるはめになります。
何日も釣り糸をたれている寅さんを見かねた坪内先生の娘は、「うなぎ屋から生きたうなぎを買ってきて、今江戸川で釣れたと言ったらどうかしら」と言ってみます。すると、すっくと立ちあがった寅さん、「そんな良いことを知ってるんなら、なんでもっと早く教えてくれなかったんです」。ところが、その直後、本当にうなぎが釣れてしまいます。大喜びで坪内先生に見せに行きますが、先生はロッキングチェアーに腰掛けたまま、すでに息を引き取っていました。
通夜になっても、寅さんはロッキングチェアーの前に座りこんで、声も出ません。それを見て、御前様(笠智衆)は「一番泣きたいのはお前ではなく、あの娘さんだ。その娘さんが涙も見せずに、あんなに気丈に客に応対しているのに、お前は何だ」と叱りつけます。気を取り直した寅さんは、葬式の時はてきぱきと立ち働きます。ところが、先生の娘の恋人が現れ、その恋人の腕の中で彼女が泣いている場面に出くわしてしまいます。
その夜、寅屋の面々が灯りのついていない真っ暗な寅屋に戻ってきて、「あーあ、見ちゃいられなかったよ」と寅さんのハートブレークの話をしながら、電気を付けてみると、暗闇の中に寅さんが座っていたのが分かって、おいちゃんなどは腰を抜かさんばかりに驚きます。そのまま二階に上がっていった寅さんをさくらは追いかけますが、「先生よー、先生よー」と窓の外の北風に叫ぶように泣く寅さんに何も言葉はかけられません。その夜、寅さんは旅に出ます。
映画のラストは、坪内先生の娘が新婚旅行先の京都で亡き父親に話しかけるという形になります。「お父さん、珍しい人に会ったの。」彼女が五条大橋でふと反対側を見ると、寅さんが「かあちゃん、かあちゃん」と言いながら、じゃれるようにして、母親と肩を並べて歩いています。母親の方も、嫌そうな顔をしながらも、本当は嬉しいのが見て取れます。「お父さんはもういない」というナレーションに重なるように、雑踏に二人の後姿が消えていき、やがて見えなくなって、映画は終わります。
このシリーズがかくも長く続いた理由の一つは、どんな辛い目にあっても、ラスト・シーンで必ずしゃあしゃあとした寅さんを写し出すことにあります。片想いにしろ、失恋にしろ、現実には大変なエネルギーを使うわけですが、すぐさま立ち直る寅さんのバイタリティーが救いとなっているのです。
また、この作品には『吹けば飛ぶよな男だが』を連想させる部分がかなりあります。母親探しのテーマ、ミヤコ蝶々の存在感(彼女の芸域は決して広くはないと思うのですが、この作品のような役をやると、本当にうまいと思います)、連れ込みホテルの部屋の設備を使ったギャグ、共に主人公の子分役を演じる佐藤蛾次郎の独特の味等です。ただし、映画として出来上がってきた世界はかなり違います。これについては『吹けば飛ぶよな男だが』レビューを参考にしてもらうと嬉しいです。

評者

hacker

更新日時

2005年07月24日 20時39分

コメントの推薦

読んで楽しい 2005-07-25
 
2022年09月25日 11時54
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