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ロスト・ハイウェイ/カトキチのコメント

rating33.6667

ロスト・ハイウェイへのコメント

採点

rating5

推薦数

+2

コメント

O・J・シンプソン事件の映画化。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

私はデイヴィッド・リンチという映画監督が好きである。彼の作品群はすべて刺激的だし。何回か観ると、ある程度どういう映画か分かるというのも好みだ。訳が分からない映画なのにもかかわらず、どこか理解してる部分があって、さらに緊張感もあり、映画自体はめちゃくちゃおもしろい。

中でもお気に入りは『ロスト・ハイウェイ』である。リンチ好きからすると意外と言われるのかもしれないが、とにもかくにもダントツで『ロスト・ハイウェイ』が好きだ。何度も観てるし、何回観ても飽きない。サントラも素晴しいし、映像も暗くて鋭いし、パトリシア・アークエットもメチャクチャセクシーで、脱いでるところもたまらない(笑)パトリシア・アークエットは『ロスト・ハイウェイ』と『トゥルー・ロマンス』しか代表作がないって話だが(笑)

『ロスト・ハイウェイ』を見続けてる決定的な理由が実は1つあって、それは、

未だにわけわかんねー映画だから(笑)

この『ロスト・ハイウェイ』という映画はリンチ作品の中で最も訳が分からない。

ストーリーを簡単に書くと、主人公はサックスプレイヤーで、飛び切りセクシーな奥さんが居る。冒頭で主人公は奥さんを自身のライブに誘う。だが奥さんに断られてしまう、主人公はもしかしたら奥さんは不倫をしてるんじゃないかと想い始め、だんだんいろんな妄想をし始める。と同時に自宅にビデオテープが届き始める。最初に届いたのは家の外観を映したテープ。その後は主人公達が寝てる姿を撮られたテープ。これは気味悪いとさすがに警察に相談する妻。そして3本目に届いたテープにはバラバラになった妻の死体が映っていた。そして主人公は殺人の容疑で逮捕され、死刑を宣告される。すると独房の中で主人公はまったく違う人間になり、まったく違う人間が独房に居るので、釈放される。釈放されたら、今度はその人間の生活が描かれるのだが、今度は死んだはずの奥さんが現れる!(ここからまた意味わかんねー)警察も独房の中で人間が変わる事などありえないので、変わった彼を追い続けるのだが…

とこんな感じだ。書いててもやっぱりわけがわからない。一体この映画は何なんだろう?ただ単に観客を欺きたかったのだろうか…

と、『ロスト・ハイウェイ』の事を検索してみる。すると2ちゃんねるのスレで衝撃的な文を発見した。以下、そのまんま記載する。

31 名前: 名無シネマさん 投稿日: 02/03/11 15:00
これはOJシンプソンの話だから

69 名前: 名無シネマさん 投稿日: 02/04/06 17:42
誰も書かないから書いちゃうよ。

リンチはあるところでOJシンプソンに出会った。OJが奥さんを殺したことに 異論はないだろう。つまり殺人者だ。ところがリンチの出会った彼は、まるで 自分が過去に人を殺したことなどなかったかのように振舞っていた。彼の中で は自分が過去に殺人を犯したという事実は、無意識下に捻じ曲げられ、彼の都合のいいように、変容しているのだろう。自分は殺していないと。だからあんなふうに普通の振る舞いができるのだ。。。 っとこんな感じで良いんでしたっけ。


今度は『ロスト・ハイウェイ』とOJシンプソンで検索してみると、町山智浩さんのインタビュー記事にたどり着いた。何かeigaなんちゃらみたいな感じのヤツだ。


あの映画は未だに日本では「難解」「ワケがわからない」と言われてるんですよ。

「そんなことはないと思うよ。あの映画のアイデアはテレビでO・J・シンプソンがゴルフをしているのを観たことから始まっている。この男は奥さんを殺したのに、どうしてこんなに楽しそうにゴルフなんかできるんだろうって思ったんだ。そこで僕は瞑想をしてシンプソンの気持ちになってみた。そうしたら理解できたんだ。彼は妻を殺した時の自分を記憶の中で別人格として分離しているに違いないってね。人格乖離、心因性記憶喪失というやつだ。シンプソンは自分の中で複雑に、しかし精緻に記憶を組み替えて殺人という現実から自分を守っているんだよ。その精神構造をそのまま映画化したのが僕の『ロスト・ハイウェイ』なんだ。でもね、いつかシンプソンにも殺した時の記憶が蘇ってくるかもしれないな。たとえばゴルフでクラブをスイングした瞬間に記憶がわっと蘇ったりしてね(笑)」

O・J・シンプソンとは94年に起きた殺人事件で有名になった俳優であり、元フットボール選手である。彼の奥さんと友人が殺され、O・J・シンプソンが逮捕された。一旦は釈放されたものの、警察の逃亡を振り切るなどの疑わしい行為により、第一級殺人で逮捕される。裁判には全米のオールスターと呼ばれた弁護士が揃い。裁判の焦点は人種差別や警察の証拠ねつ造がメインになり、結局OJシンプソンは無罪になった。

つまりこういう事だろう。カメラに映っていた2人は奥さんと浮気相手だ。それを撮っていたのは主人公である。奥さんを殺す事を決意して、殺すんだけど、その事に耐えきれず記憶から抹消する。『ロスト・ハイウェイ』のセリフで「物事は自分なりに記憶したい 起こった通りじゃなくてね」というのがあるが、まさに、ビデオテープは起こってる事を起こった通りに記録するので、彼が殺した事をバッチシ映してるわけだ。彼は奥さんを殺した事に耐えられず、もう一人の人格、分身を作り始める。そして、その男の人生の記憶を作り始めるのだが、少なからず、現実が反映されるために、奥さんが出て来たり、また戻ったりするんではないかと、O・J・シンプソンが殺人を犯して、ハイウェイをひた走ってる間に、もう1人の人間の妄想をしてたと、そういう話なわけだ。だから、冒頭とラストがそして、物語の途中にも流れていくハイウェイが映しだされている。

まぁ、それでもわけわかんねー事はたっぷりあるけど、それもこれも含めて、これからも『ロスト・ハイウェイ』を見続けようと思うのであった。

評者

カトキチ

更新日時

2008年01月11日 13時35分

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