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コーヒー&シガレッツ/カトキチのコメント

rating44.0000

コーヒー&シガレッツへのコメント

採点

rating4

推薦数

+2

コメント

これはジャームッシュの中でも最高峰に位置する傑作なのでは?

レビュー

東京に住んでる人は皆せっかちだと聞く、早く歩くし早く食べる、
さらに言うと体内時計も早いようで、一分を計ってもらうとだいたいの人が50秒台で押すようだ。
そんな東京でこの作品が受け入れられたのだろうか?
地震で列車のダイアが数分遅れても文句を言う人達にこの作品の良さが分かるのか…?

ジャームッシュは何気ない日常の1コマを切り取るのが抜群にうまい、
それは『ナイト・オン・ザ・プラネット』で実証済みだ、
タクシーに乗り込んで来たお客さんと運転手の目的地に着くまでの緩やかな時間、
限定された空間を見事なカット割りで視覚的に飽きさせない様にし、優しく、かわいく演出していた、
私はジャームッシュの中で『ナイト・オン・ザ・プラネット』が抜群に好きである。

彼はコミュニケーションの難しさと楽しさを伝えるのも得意としている。
『ダウン・バイ・ロー』でもベニーニ演じるイタリア人との言葉のコミュニケーションをうまく映画に取り入れていた、
それだけでなく、人間同士の繋がりを描いてる作品が多い、
異文化や肌の色の違いがあっても同じ人間じゃないか、という視点が作品の随所に溢れている。

この2つが見事組み合わさったのが『コーヒー&シガレッツ』だ。
『デッドマン』も『ゴースト・ドッグ』も素晴しかったが、私がジャームッシュに求めてるのはこれなのだ。
コーヒーショップにある人生の些細な1コマ、ちょっとおかしい日常、
お客さんと店員のやりとり、これをジャームッシュはモノクロと素晴しい音楽、うまいカット割りで料理する。
つまりコーヒーショップに来るお客さんのたわいもない話を延々と映しつづけただけの作品、
『ナイト・オン・ザ・プラネット』はエスタブリッシュメントショットが効果的に使われていたが、
今作は完全に室内の話、1つのエピソードをリアルタイムで演出するジャームッシュの感覚は異質である。

おもしろいのは出てくる登場人物が本人とかぶってる部分があるというところ、

ケイトブランシェットはスターの役で出てくるし、イギーポップとトムウェイツは音楽について語り合う、
『ゴーストドッグ』の帽子をかぶって登場するウータンクランの話は今作で最高におかしい、1番好きだ。
これに『ブロークンフラワーズ』のビルマーレイをキャスティングするというのもたまらない。
ウータンクランの2人が「ビルマーレイだ!」と言う瞬間のリアクションにはかなり笑わせてもらった。
さらにスティーブクーガンの話は『24アワー・パーティー・ピープル』絡みで、めちゃくちゃおもしろかった。
英国人とアメリカ人という異文化の会話は今作で2番目に好きである。

シンプルなジャームッシュ作品の中でも一際シンプルさが目立つ今作、それ故、演者も魅力的、
モノクロの映像やハワイアン、スカ、クラシックにイギーポップまで飛び出す音楽の使い方もパーフェクト、
ジャームッシュの中でも上位に来る傑作だ。

彼の道は平坦で坂道も水たまりもない、だから歩いててもつまらないかもしれない、
でも平坦な道は疲れずに歩き続けてられる、そしてその道がいい景色なら何度も歩きたくなるだろう。
『コーヒー&シガレッツ』もそのように繰り返し歩き続けたい作品だ。

評者

カトキチ

更新日時

2006年06月01日 00時02分

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参考になる 2006-06-01
 
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