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宇宙戦争/hackerのコメント

rating33.3125

宇宙戦争へのコメント

採点

rating4

コメント

「大家」になった後のスピルバーグの最高作。

レビュー

スピルバーグの作品で最も好きなのは、おそらくいまだに『続・激突カージャック』(この邦題、何とかなりませんかね)ですが、『JAWS』以降あまりにも有名になった彼の作品は『未知との遭遇』や『ET』などそれなりに面白くて、嫌いとまではいかないものの、感心するというところまではいかない、というのが私の評価です。

しかし、SFの古典を原作に持ち、しかも50年代SF映画の中でも古典と言える映画化がなされた後で、彼がリメイクした本作は、原作に忠実であると同時に、9・11が一般市民からどう見えていたかを描き、その恐怖はスピルバーグはユダヤ人であるだけになおさら強かったのでしょうが、近年のスピルバーグとしては出色の出来栄えです。

カトキチさんも書いていますが、徹底的に主人公トム・クルーズの一人称で描いている点が素晴らしいです。突如、見知らぬ者から攻撃を受けるという状況に陥った一般市民の恐怖と眼前で展開される殺戮が、これでもかこれでもかとスクリーンに映し出されます。当然、これは9・11を連想するわけで、殊に、最初の攻撃でほこりまみれになる主人公の姿は、ワールド・トレード・センターの崩壊に巻き込まれた人たちの姿そのものです。しかし、実は、こういうパニックに陥った人々の描写というのは、原作の最も迫力に富んだ箇所でもあり、そういう意味でも、原作をしっかり踏襲しています。原作で描写される宇宙人の操る戦闘機械(高さ30メートルで3本足歩行)なども、かなり忠実に再現しています。

映画全体の印象としては、これもカトキチさんが言う通りで、SF映画というより、恐怖映画です。あからさまには描いていないものの、パニック下における、主人公の娘をめぐる性的な脅威など、原作にはないアイデアですが、そういう題材です。

しかし、原作にあるものの、前回の映画化では描かなかった「生き血を吸う」宇宙人の描写も含まれていて、細部はかなり原作に忠実です。そして、カテーテルのような遠隔カメラが出てくる地下室のシークエンス(ほとんどイタダキですが)、最後に戦闘機械から垂れる宇宙人の手(足?)の描写などは、明らかに前回の映画化へのオマージュで、きっちり先駆者たちへの敬意を払っていることも好ましいです。

ただ、原作と大きく違う点で不満なのは、宇宙人の機械がはるか昔に地中に埋められていたという設定で、にもかかわらず、宇宙人たちの最期が原作と同じなのは、おかしいですよね。一般市民が突如殺戮に巻き込まれるという状況を作るための、『トレマーズ』から拝借したアイデアだった、とは思うのですが...。主人公をめぐるラストも甘いのではないでしょうか。

振り返ってみれば、『クローバーフィールド』は、本作の怪獣版だったのですね。

評者

hacker

更新日時

2012年01月03日 09時36分

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