非常にかわいそうな映画
映像に面白味は無いし、正直ベタで古くさいストーリーテリングもこなれてるとは言いがたい。
強引な展開とツッコミを入れさせないくらいの脚本もずば抜けてすごいとはお世辞にも言えない。
だが、それを補って余りある“楽しさ”が全編を覆い、
底抜けに明るく頭を使わないパワフルでエネルギーに満ち溢れた映画に仕上がった。
センスのいい選曲が気持ちよく、ブラックミュージックのタテノリのリズムが映画のテンポを決め、
その音楽と芸達者な役者陣の最高の演技で一気にラストまで引っぱるパワーがある井筒監督の痛快作。
かなり酷評されているが仕方がない。
映画を辛口でバッサバサ切っている井筒監督のこの時期での新作だ。
みんな「お手並み拝見と行こうか」というスタンスで観ているに違いない。
この映画はそんな観客のせいでかわいそうな運命をたどった映画の一つだ。
これは楽しさを味わう映画、そういうお粗末な脚本や展開も狙ったもんだと思わないとだめですわな。
キャスティングが大成功!正直、西田敏行がうますぎる、むちゃくちゃうまい。
そして岸部一徳、常盤貴子、山本太郎、太田琴音もうまい!!豪華ゲストの顔出しも非常に楽しい。
映画を撮ってる事の楽しさと現場のおもしろさが画面から伝わってくる。
笑えるシーンもたくさんあるが、なんといってもクライマックスのセックスマシーンのシーンが最高。
鳥肌が立つほどかっこよかった、西田さん卑怯っすよ!!
冒頭の「真夜中の王国出なあかん」とかもかなり笑えるしね(笑)
おもしろいという観点からいくと正直満点はあげられないが、それも狙った井筒演出も小気味いい。
とにかく楽しんで、ゲロッパ!のリズムにノってみる事がこの映画の本質である気がする。
個人的にはラストの岡村隆史の○○○○○○○に爆笑してしまった(笑)
2005年06月14日 00時03分
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