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主演は今人気のガエル・ガルシア・ベルナル。
ゲバラのイメージとどうだろう、と思っていましたが、なかなか好感触。
顔が似ている訳ではないものの、なかなかチャーミングで、人々に愛されるゲバラの魅力に通じるものを感じました。
ロードムービーというと基本的に成長物語ですが、よくありがちな仰々しいカタルシスは、この映画にはありません。
成長過程や心境の説明もあまりなく、ひたすら旅が進行していきます。
旅の非日常性より、旅先の日常性に焦点が当てられているからこそ、説明なくとも一つ一つの出来事がリアルで印象的になるのだと思います。
貧困、医療問題、思想の自由など、中に重いテーマはいくつでも見つけられます。
それを巧みに料理し、これだけ後味爽やかな映画にしたのは製作側の手腕でしょう。(ちなみに製作総指揮はロバート・レッドフォード。)
ゲバラは神話化され、今もカリスマ的存在であり続けています。
しかしこれは、ゲバラがいかに凄い人物かを称える映画ではありません。
凄い人物であればある程、その「凄さ」を直接表現すると、現実から浮き足立ち陳腐になるものですが、この映画の中のゲバラは等身大で、旅で驚き、悩み、揺れています。
これまで映画や本で出会ったどんなゲバラに対してよりも、共感と親しみを持てました。
2005年08月16日 21時32分
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