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カンバセーション…盗聴…/ドンペリのコメント

rating44.0000

カンバセーション…盗聴…へのコメント

採点

rating4

推薦数

+1

コメント

盗聴の世界に目を付けたフランシス・F・コッポラオリジナルのお話。
コッポラの若さ漲る才能を垣間見ることが出来る作品かと。

ネタバレ

このレビューは物語の核心部分が明かされています。

レビュー

コッポラは ゴッドファザーの監督を依頼される前に 27歳で書き上げていたこのシナリオを
何より映画化したかったがバックアップを探したが思うようにいかず断念したらしい。
ところが、ゴットファザーが大当たりしたので、本作が製作出来たということだ(本人談)。
という話を聞くと、
もし、スポンサーがついて本作がゴッドファザーより先に製作されていても
コッポラは認められていたであろうと思える彼の才能がみてとれる作品です。

「盗聴の世界」を描こうとした着眼点も良いが それを彼の感性でスタイリッシュに描いてみせ、
映画としては魅力的な興味深いものになっている。
盗聴というものを軸に 伏線など一切なくすべてをストレートに見せていき、とても解り易い。
それでいてサスペンスのように楽しめるようになっている。ラストもあれでいいと思う。



盗聴のプロ・ハリー(ジーン・ハックマン)は
「ただ請け負った仕事を淡々とこなしてテープを渡すだけ」と徹底していたのだが、
以前自分の盗聴の結果、3人の死亡者を出したことが尾を引いていて
盗聴という仕事に罪悪感を抱き始めていた。そんな時、盗聴テープの中の「殺人」という言葉に
反応してしまったのだった。彼がジレンマに陥りながら深みにはまっていく様子が描かれた映画だ。
ラストは「ミイラ取りがミイラになる」に近いが、その狂気ぶりの原因が「盗聴」であることが見事な着地だ。


彼が盗聴テープを編集(確認)するために‘繰り返し繰り返し’テープを回すことによって
観客は‘何度も何度も’その男女の会話『カンバセーション』を聞きかされることになり、
結果、依頼人と盗聴された男女の関係を組み立てていけるこの見せ方が非常に巧いと思う。
犯罪が絡むのではないかと早めに匂わせているため、ハリー同様こちらも毎回耳を凝らして聴いてしまう。
まさに「盗聴」の映画だ。
今観ると、まだパソコンが並んでいない彼の仕事場の様子も、アナログ的で新鮮だったりする。


本作は盗聴の内容の方(殺人)を膨らませて サスペンスとして引き伸ばしにかかるのではなく、
あくまでもハリーの心理を追うサスペンスであり、こちらの意に反した一味違ったものが味わえる。



冒頭のユニオン・スクエアを俯瞰で撮る映像から、カメラが降りると
人ごみに混じって会話をしながらうろうろする男女が映る。
会話がうまくキャッチされてない奇妙な音が聞こえ(宇宙人がしゃべるのに使われるような音)、
男女の会話がリアルタイムで盗聴されているのだということを確信させる。
同時に音響の妙を楽しませてくれてもいて、興味を惹かれるこの冒頭は
物語に入り込ませるテクニックが巧妙で、またセンスもいい。

さらに意味ありげなメロディーの音楽(ピアノのつまびきなんですけど)が
「どこか怪しげな感覚」を植えつける役目を果たし、とても効果的に流れる。
鑑賞後しばらく耳について離れない単調であり何故か気になるメロディーなのだ。
このように観客は 無意識のうちに聴覚を刺激されているのだ。まさに「盗聴」の映画、巧いではないか。

・・・すべてにおいて本作の‘感覚’は30年後の今でも充分にいけるし、まるで古くない。


興味深いのは
盗聴機器・監視機器の大会があり(ちょうど昔晴海の展示会場のように業者が一堂に会する感じ・・)、
顔見知りの盗聴のプロたちが集まってくる。
そこで紹介されるものは今となればあまり驚かないが それでも興味深いし盗聴の怖さを感じる事が出来る。
誰もがそんなものには一生縁を持ちたくない、などと思いながら観るかも知れぬ・・・
これもコッポラのねらいなのだろうな〜と思う。


さらに特筆は、まだ売れていない頃のハリソン・フォードが出ています。
キャスト紹介では一番最後に名前が載っております。
またジョン・カザールとロバート・デュバル、どちらもゴッドファザーに出演の面々ですね。

評者

ドンペリ

更新日時

2007年04月18日 02時28分

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