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ツィゴイネルワイゼン/カトキチのコメント

rating44.0000

ツィゴイネルワイゼンへのコメント

採点

rating4

推薦数

+2

コメント

無限に広がる夢幻世界。

レビュー

現実世界と幻想の境目、生と死、音楽と美術のコラージュ、夫婦、腐りかけた桃、
女と男、狂気、暗闇、昭和の匂い、すき焼きの中のこんにゃく、サラサーテ、妄想、煙、妖艶、
赤い骨、白い肌、股ぐらのカニ、裸体、寄せては返す言葉、光と影、舞い散る花びら、夢…

映画の中に現れる数えきれないほどのイマジネーションの洪水、これらのイメージを羅列し、文法をぶっ壊した展開、
破錠しそうな物語を淡々と紡ぐ緊張感に溢れた演出、和物にこだわった音楽と説明不能な世界観の美術、
切り取った風景や言葉を貼り付けただけのコラージュと侮るなかれ、
これは鈴木清順が持てるテクニックと感性を総動員して作り上げた夢と現実の話、
ゴダールやリンチよりも遥かに完成度が高い、前衛的な映画の傑作中の傑作。

押し寄せる不可解なイメージとシュールな世界、これはどこからが現実でどこからが幻想なの?
強烈な映像世界と印象的な言葉が脳内にこびりつき、観た後もずーっと引きずってしまう。

こういう映画って作る方は意外と楽しかったりすると思います。
自分の頭の中にハッキリしたイメージがあるから、それを再現していけばこういう映画になると思いますよ。
とにかく感覚ですね、いい悪いで論じる映画ではありません、好きか嫌いかそれだけの話です。
ストーリーもへったくれもないですよ、こんな映画(笑)
ゴダールに近しい感じなんですが、映画を破壊し、現実を見せるゴダールと違い、
清順は破壊されてるんですが、観客を現実には戻しません、それくらい純正な“映画”なんです。
そういった意味でも、この映画の完成度は比類ないものだと小生思います。

狂気を再現した原田芳雄と大楠道代、ヘタクソな藤田敏八、透き通るような美しさの大谷直子と役者陣も充実。
こういう映画の脚本を渡されたら、どういうリアクションをするんでしょうかねぇ(笑)
というか、脚本にはどういう風に書かれてるんでしょうか?
“ひたすらこんにゃくをちぎる”とか文にしてあったら笑いますわな(笑)

私は逆にフリーキーな鈴木清順よりも、
日活の職業監督という括りの中で自分のやりたい事を盛り込んでた時の方が好きなんです。
映画の文法を破壊するという意味では、その時代の作品の方がユニークで刺激的ですし、
私の世代から観ると、組織に立ち向かう孤高の芸術家みたいでかっこいいんですよね(笑)
自分の好きに撮れる様になってからの清順にはあまり惹かれないんですけども、この映画は別格の出来です。

人間の一番美しい姿は骨なんですって!恐っ!!!

評者

カトキチ

更新日時

2005年07月17日 00時05分

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