+3
あまりにも完璧で、いい映画で、愛しくて、嫉妬すら感じる。
おしゃれなセリフ回しと役者の魅力溢れる演技、
場面にあわせリズムを刻んだり、時に主人公の心情を鮮やかに切り取る、素晴らしい音楽、
アパートや会社の造形に、街をリアルに映し出すカメラと言う事無し。
まさに完璧とも言える恋愛映画界・最強の一本。
私はこの映画と『或る夜の出来事』が恋愛映画の金字塔だ。
この映画たちを観てから、私はラブストーリーにはまったく興味がないわけです。
ものすごく笑えるし、希望もあるし、完ペキというかけなす部分がほとんどないよく出来てる名作。
これ観たら『タイタニック』なんて…ねえ??
上司の情事の場所に自分のアパートを貸しているさえない男が、
会社のエレベーターガールに恋をする、この娘、男からの誘いを断り続けてるのだが…
このストーリーがたまらない!
冒頭の5分で一気に主人公の立場やストーリーをナレーションで喋りたおすのだが、ここから引き込まれた。
さえない男を演じるのがジャックレモン!ハマり役です。
独身サラリーマンの生活描写もリアルで素晴らしい。
コカコーラ片手にTVを観るところとか、普通だったらいらないんですけども、
観るのが苦じゃないんですね、特にこの時代なのに、TVのリモコンがおもしろかった。
昔のTVのリモコンってあんなのなんですね。
主演二人の魅力をさらに引き立たせるべく、ワイルダーは脚本にもこだわっている。
エレベーターの中のやりとりなど、かなりリアルでおもしろい。
彼の映画のセリフ回しは音楽のように美しいが、その饒舌な脚本を打ち砕くラストは…
ホントにもうねえ?すごくないっすか?粋だよ!粋!!
その場の空気と役者の雰囲気だけで持っていくあのラストは、
まさに小津映画にも通じるものがあると小生思う訳です。
観てないのならば、是非観て下さいの一本。
また観たくなってきたな〜、こういうのをいい映画って言うんですよ。
2005年05月21日 08時15分
読んで楽しい |
2007-01-26 |
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読んで楽しい |
2005-05-21 |
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2005-05-21 |