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『スクリーム2』の中で、続編の出来が最初の作品を上回る例を議論していて、最後に『ゴッドファーザー』の名前がでて、皆納得するのですが、この作品も前作に比べると一般的には知られていないようですが、そういう一本です。最近DVDで見直したので、レビューも書き直しました。
このレビューは物語の核心部分が明かされています。
この映画では、怪物はあくまでも怪物として登場します。何せ、オープニングが前作のラストからで、どういうわけか怪物が井戸の中で生き延びていて、前作で娘を殺された両親を殺す、というショッキングな出だしなのです。『ミツバチのささやき』を撮ったヴィクトール・エリセ監督は、この続編を観ているのだろうか、などと考えたりしてしまいます。前作での少女殺しは、投げる花がなくなったので代わりに少女を湖に投げた、と解釈できるのですが、これを観てしまうと、そんな甘い解釈は許してもらえそうもありません。でも、こういう描き方の方が、ホラー映画の王道なのです。ただ、怪物の残虐性と同時に孤独や哀しみも強調されていて、観る者に不思議な困惑を与えてくれます。フランケンシュタイン博士の他に登場する、人工脳の制作に成功したマッド・サイエンティストの不気味さとブチキレ振りも程よく味付けされて、他では味わえない恐怖と同情のカクテルのような作品となっているのです。
ついでながら、再見してみて、あらためて気付いたというか、忘れていたことをいくつか列挙してみます。
1.『ブレードランナー』でロイがターレル博士を殺す場面は、この作品の冒頭の殺人場面へのオマージュであること
2.盲人と怪物との心の交流という点で『悪魔の毒々モンスター』は『街の灯』ばかりではなく、この作品へのオマージュでもあること
3.アンディー・ウォーホールが制作した『悪魔のはらわた』は完全にこの作品のパロディーであること
4.題名からしてそうですが『吸血鬼ドラキュラ』の続編『ドラキュラの花嫁』もこの作品のオマージュ(むしろパクリかな?)であること
5.これももう一つの『美女と野獣』の物語であること(誕生した人造人間第2号は、もちろん女性なのですが、よく見ると美しいのです。ついでながら、作品の導入部で登場するシェリー夫人がまた艶っぽいです。それも当然、同じ役者さんなのですから)
色々な意味で前作とセットで観ることをお勧めします。
2005年11月11日 23時00分
素晴らしい洞察 |
2005-11-12 |
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