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イワン雷帝/hacker2のコメント

rating44.0000

イワン雷帝へのコメント

採点

rating5

コメント

久しぶりに再見しましたので、全面的に書き直します。

レビュー

hackerの名前で投稿したレビューは記憶を頼りに書いたもので、書いていること自体、完全な間違いとも思いませんが、再見してみると、これだけ計算されつくした映画はやはり貴重です。

第2次大戦中に作られ、明らかにスターリンを連想させるイワン雷帝像に仕上がっています。第2部に登場するポーランド王などはヒトラーの戯画ですし、外敵に対して、内部の権力争いを力で収め、大ロシアの発展を図るなど、当時のロシアの状況そのものです。

ただ、エイゼンシュタインに対する私の見方は最近大きく変わるようになって、それは画家のフランシス・ベーコンのインタビューを読んだせいです。その中で、『戦艦ポチョムキン』について、次のように語っています。

「あの映画を観たのは画家になるかならないかの頃で、深い感銘を受けました。映画全体もそうですが、特にオデッサの階段のシーンにでてきたこのショット(老婦人が目を撃たれるクローズアップ)は印象的でした。とりたてて心理学的な意味はないのですけれども、いつか人間の叫びを描いた最高傑作を制作したいと思っていました。自分ではできなかったのですが、エイゼンシュテインはじつにうまく描写していてかないませんね」

肖像画の世界と映画の世界はもちろん違うのですが、エイゼンシュテインの撮り方は、絵コンテを細かく書くということもありますが、人の表情、体全体を使った表現、服や装飾品の使い方など、無声映画時代から大きく変わっていないのです。その意味で、あくまでも映画の世界なのです。チャップリンとエイゼンシュテインが親交が深かったというのもうなずける話です。

ところで、この作品は完となるはずの第三部が作られる前にエイゼンシュテインが他界したため、未完のシリーズとなりました。第二部で血まみれの粛清を行って政権基盤を固める展開に、隠れたスターリン批判を読むのは考えすぎかもしれませんが、この映画を観たスターリンから批判されて、第三部が制作できなかったというのは事実のようです。

第二部の、自分の理想の実現のためには、友をも捨てるべきか悩み、労働者や農民あがりの親衛隊から突き上げを喰らう場面なども、スターリンは気に入らなかったのかもしれません。

ただ、そういう背景より、1ショット、1ショットが絵画の構図のようにきまっている映像作りに感嘆したいものです。

評者

hacker2

更新日時

2019年01月28日 08時59分

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2021年10月19日 20時43
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