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近松物語/ドンペリのコメント

rating44.0000

近松物語へのコメント

採点

rating4

コメント

長谷川一夫の独り芝居になっていなく、「おさん茂兵衛物語」として充分見応えのあるものになっている。

レビュー

時に耳をつんざくほどの印象的な効果音は、素晴らしいと言うより凄い、
うるさいほどの時もあったわ・・。


有名な「おさん茂兵衛」のおりなす愛の逃避行にみとれながら、
本作は日本家屋の柱、梁、襖、障子、障子の桟、廊下・・すべての直線が
幾何学的に美しい構図を生み出し、また光の使い方が映像をよりいっそう
引き立たせていた。
おかげで、今更ながら本来の日本家屋の美しさにほれぼれした次第である。
日本っていいね、と。

また日本画を思わせる人の配置も、とても美しいし、本作は人間自体がとても
美しく見えるのが素晴らしいと思う。 内容の違いからして当然だが、同時に
見た『雨月物語』より、美しいと思いました。

二人の逃避行の船のシーンは、洋の東西を問わず、「美しいシーン」として
認められるものだろうと思う。映像がファンタジックに思えるのも素敵なこと。
『雨月物語』の船のシーンも印象的であり、監督がお得意とするところなのかしら。


長谷川一夫演じる、やや‘なよっと、艶っぽい’茂兵衛のひとつひとつの所作は
非常に品があり美しく、お家様を慕う職人の姿を納得させる演技で最後まで通す
のは、「流石」というべきなのだろう。長谷川一夫がその時代の人に見えてくる。

全体には、原作となる浄瑠璃や歌舞伎に寄り添った映画になっているんですね。
したがって長谷川一夫の歌舞伎的演技(しゃべりも)も、この様式美の中に
溶け込んでいてまるで違和感がなく、歌舞伎を見ているようだと何度も思った。


ベテランの長谷川を相手に 香川京子が見劣りしていないことは、無意識の中
に観客を安堵させてくれている。年齢を調べたらこの時香川は二十歳そこそこ。
それが画面の中では長谷川としっくりいっているのだ。その香川は、打掛けの
裾の扱いにぎこちない部分は見受けられたが、役作りの頑張りでなんとか補え
ているように思うし、好感度はいいですね〜。
本作への意気込みか、監督の指導のたまものなのか、たいしたものだと思わせ
てくれる昔の映画は、それだけで充分価値があると思う。

二人がしっかり手を繋いでいるラストシーンに至るまで 全てが心地の良い綺麗
な映画でした。


周囲の人物が個性的で、それぞれに巧いのだが、
浪花千栄子の存在感にも驚かされる。女性なのに歌舞伎の女形(おやま)的動き
の流麗さが見て取れ、目を見張る。 髪型、着付けなども、板についているとは
こういうことだろう。

それにしても、主である大経師以春役の進藤英太郎は、こういう役をやらせたら
ピカイチ。いやらしさも、歌舞伎でみる大経師以春とは問題になりませぬ・笑。
かつての東映オールスター出演の「忠臣蔵」の進藤英太郎の吉良上野介は、
生涯忘れられない憎らしさです。

評者

ドンペリ

更新日時

2008年03月30日 00時42分

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